神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『モスラ対ゴジラ』 ~バファローズリーグ優勝に想う~

 

 今夜、オリックスバファローズが2021年度パシフィックリーグの優勝を決めた。かのイチローが在籍した「ブルーウェーブ」以来25年ぶりというから、共に四半世紀ぶりということで、2016年の広島東洋カープの優勝とイメージがかぶる。対抗馬の千葉ロッテマリーンズは、東京球場時代以来、51年ぶりにリーグ1位優勝(前後期制やプレーオフ・クライマックス時代を除く)のマジックが点灯したにも関わらず、最後の最後で涙を呑んだ。思えば2004年の時も、遡って“金やん”時代の1974年も、結局はプレーオフを制してのリーグ優勝。東京球場・ロッテオリオンズ以来のリーグ一位優勝は来シーズン以降に持ち越されることになった。

 

 

 

 さて、かの忌まわしき2004年の球界再編騒動、シーズン途中にいきなり近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブが合併するという、酔狂ともいうべき有り得ない話が持ち上がり、下手をすればその年にパシフィックリーグが消滅しかねない(正直、当時は覚悟した)事態が起こった。結局、パリーグ消滅は、選手やファンの必死の運動によって辛くも阻止されたが、球団合併は現実となり、近鉄バファローズはまさかの消滅、「水と油」といっていい両球団を無理やり融合したオリックスバファローズと、そこからあぶれた選手をかき集めて結成された東北楽天ゴールデンイーグルスが誕生することとなった。

 

 当時の(そして今も)オリックス球団オーナーの宮内が合併話や球団再編に一枚噛んでいたこともあり、「オリックスバファローズ」なる球団は到底受け入れられず、翌年は「パリーグ難民」「パリーグ浪人」と化して2005年のプロ野球を観戦することになったが、その過程で、熱過ぎる応援に感化されて、あろうことかかの「10.19」の怨敵でもあったロッテ(今は千葉ロッテマリーンズ)を恩讐を超えて応援するようになった。そのおかげで、2005年と2010年はいい思いをさせてもらった。

 

 その後も、どうしてもオリックス球団が許せない気持ちが続いていたが、いつの間にかゴールデンイーグルスまでにリーグ優勝・日本一で先を越され、しかも同じく優勝に縁遠かったセリーグカープさえ2016年からリーグ三連覇を果たすなど、いつの間にか、阪急時代・ブレーブス時代、そしてブルーウェーブ時代の栄光の歴史を背負ったオリックスは、12球団で一番優勝から遠ざかった球団となってしまった。

 

 勿論、それをずっと「消滅させられた近鉄球団やファン(「大阪紅牛會」は除く)の怨念」と鼻で笑っていたが、今シーズン、もしかしたら優勝の目があるかもという時期になって、いつの間にか自分の中で「もう許してやってもいいかな」なんて思うようになった。だから、現在贔屓のマリーンズとのデッドヒートとなっても、心の片隅で「今年ぐらいはオリックスでもいいよ」なんて思いながら、CATVのプロ野球観戦を見続けていた。そして今日も、「奇跡の3連勝でマリーンズ優勝!」と、「オリックスバファローズ25年ぶりの歓喜!」という二つの可能性を考えながら、宮城の東北楽天vs千葉ロッテの試合を観戦した。そして意外にもあっけない形で、オリックスバファローズの優勝が決まった。

 

 奇しくも今回、千葉ロッテは、残り3試合を3連勝(もしくは2勝1分け)しなければ優勝できないという、「10.19」の時の近鉄バファローズの境遇と全く同じシチュエーションでの戦いを強いられた。まるで1988年と立場が逆転したかのように。そして今日の対戦相手の東北楽天は、その近鉄球団の流れを汲む球団と言えなくもない。更に言うと、合併球団オリックスも、その球団名はバファローズだ。

 

 この展開でふと脳裏に浮かんだのは、何故か1964年公開の東宝特撮映画『モスラ対ゴジラ』。この映画は、親モスラゴジラと戦い命を落とすものの、その卵から双子の幼虫モスラが誕生し、親の敵とばかりゴジラに挑み、結局倒してしまう、という物語である。かつて近鉄球団のリーグ優勝を最後の最後で阻止した(倒した)ロッテ球団(ゴジラ)が、その後消滅(落命)した近鉄球団(親モスラ)の流れを汲む(生まれた)バファローズゴールデンイーグルス両球団(双子の幼虫モスラ)に、今度は逆にリーグ優勝を阻まれた(倒された)と考えると、まるで野球版『モスラ対ゴジラ』を見ているようだった。あくまで単なる妄想に過ぎないけど(;^_^A

 

 

 およそ33年を掛けた「因果応報」の物語は、今日一応の幕を閉じた。しかしまだまだクライマックスシリーズ(CS)が待っている。セならばヤクルト・阪神讀賣、パならばオリックス千葉ロッテ東北楽天の計6球団が、まだ日本シリーズ進出・日本一の可能性を秘めている。讀賣さえいなければ、もっと純粋にCSを楽しめそうなんだけれど(;^_^A もうここまでくると、いっそオリックスに日本一になってほしい。ちなみに、球団名変更ではなく、純粋に一球団として存在しながら一度も日本一にならずに消滅したのは、2リーグ制移行後ではセの「西日本パイレーツ」とパの「近鉄バファローズ」「高橋(トンボ)ユニオンズ」の3球団のみだ。もっとも、残念ながら「近鉄」は前記のように日本一になれなかったものの、まだ「バファローズ」には日本一になる可能性がある。だから、この機会を是非活かしてほしいものだ。

 

 ちなみに、「バファローズ」であって「バッファローズ」でないのは、大阪の球団だから。同じ例として「レツゴー三匹」がある(;^_^A


あの「10・19」と同じ、全日程終了後に優勝 オリックス選手歓喜

 

 

 優勝が決まった瞬間、笑顔の選手やコーチらが一斉にグラウンドに飛び出した。レギュラーシーズンの全日程を終えていたオリックス