神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

昭和60年代ヒロインアクションドラマへの様々な視点

 今は亡き洋泉社のムックに「別冊映画秘宝 アイドル映画30年史」ってのがあって、その中で「少女アクションの狂乱時代」という記事が掲載されていた。この本自体、既に発刊されてから17年も経過した今や絶版の本で、近年たまたま頂いたので今手元にあるんだけれど、そんな訳で今まであまり読んでいなかた。

 

 

 そこで、「もしかしたらこの本に昭和60年代ヒロインアクションドラマのことが書いてあるんじゃないか:ってパラパラめくって、上記の記事を見つけ、しかも書いているのが、今から四半世紀以上前に購入した、我が映画秘宝初体験本である「悪趣味映画f劇場」で魅力的な文章を書いていた藤木TDC氏だったので、勇んで読んだんだけど……

 

 話題は角川映画の『野生の証明』『セーラー服と機関銃』における薬師丸ひろ子の扱いから始まって、続いて松竹(奥山和由プロデューサー)の『Vマドンナ大戦争』、少女アクションとAVとのいびつな関係を経て、『スケバン刑事』シリーズ(劇場映画も含む)、『少女コマンドーIZUMI』と来て、『花のあすか組』へと移っていく。まあAVは除くとしてもそれ以外はすべて我が琴線に触れるものばかりを取り扱ってくれているけれど、それらに関する氏の意見は実に辛辣! 角川春樹の初期の薬師丸ひろ子にあてがった作品・役は彼のサディスティックな所業(およそアイドルとかかけ離れた役をさせている点で)と断罪し、『Vマドンナ大戦争』はキャストも映画自体もショボいとこき下ろし、『スケバン刑事』は若干持ち上げている(それでも結構いびつに)、『少女忍法帖伝奇』は三姉妹があまりも幼いと指摘し『少女コマンドーIZUMI』は主演の五十嵐いづみがブスっぽい(?!)のとセーラー服で戦わなかった(ここだけは納得(;^_^A)と突き放し、『花のあすか組!」は“カルト少女歌劇”と見向きもしない。しかもこの後の90年代になって活躍した香港のアクションヒロインを上記のヒロインアクションドラマ・映画と比較して持ち上げて文章を締めくくっているから、昭和60年代ヒロインアクションドラマファンとしては、自分の一番魅力に思っている部分をそのまま批判されているようで、読んでいて悲しくなってしまった( ノД`)

 

 もっとも、藤木TDCの視点はあくまで本格的な、それも香港アクションファンとして立ち位置からなんで、そう思うとこの指摘も致し方ないだろう。確かに「悪趣味洋画劇場」でも主に香港映画について言及していたし。そんな訳で意見は十人十色、少なくとも賛美であれ批判であれ、この一連のヒロインアクションドラマについて語ってもらってることは素直に喜びたい。

 

 まあ、そんなことが書けるのも、おそらく当時のヒロインアクションを好意的に見てくれている方々が多くいらっしゃると思うから(^^) そうでなければ毎日多くの方々にヒロインアクションに特化した当ブログをご覧いただけないだろうし……ありがたい話です(;^_^A