神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

闘え! セーラー服⑦

 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」 俗に云う風営法の改正によって、昭和末期ピンク・ポルノ映画のタイトルに特定の職業(及び立場)名やそれを想起させる服装を用いることが原則禁止となった。それによって『女教師縄地獄』とか『女子大生寮vs看護学生寮』とか『スチュワーデス・スキャンダル 獣のように抱きしめて』とか『OL暴行汚す』といった扇情的なタイトルは、場末の劇場の看板から姿を消した。勿論その中には『セーラー服色情飼育』のような“セーラー服”という名称も含まれていた。
 
 その事から、“セーラー服”のそれまでのイメージは、“清純”とは裏腹な、“劣情”“暴力(スケバン)”といった邪なものだったように思える。確か永井豪の漫画にも転校した元番長が女子高に入学を余儀なくされセーラー服をあてがわれたことから始まる『おいら女蛮』ってもあったし……
 
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 そんな“セーラー服”“健気な戦闘ヒロイン”という付加価値がついたのは、意外にも、それまでの邪なイメージそのままのタイトルセーラー服と機関銃スケバン刑事からではないか、と思う。
 
 確か、当時のナンバーワン(映画)アイドルであった薬師丸ひろ子が、セーラー服と機関銃に主演するにあたり、「タイトルが“ピンク映画”みたいな作品に出るのか如何なものか」等の批判があったりもしたが、逆にこの作品によって薬師丸ひろ子の映画的地位は不動のものとなった。機関銃をぶっ放し「カ・イ・カ・ン」とつぶやく演技は、未だに日本映画史に残る名シーンとなっている
 
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 そしてスケバン刑事も、敢えて“スケバン”とは対極の清純派アイドル(当時は)の斎藤由貴斎藤佑樹ではない 笑)を配する絶妙のキャスティングで、見事大ヒットした。これも当時は「斎藤由貴“スケバン”はないだろう」と思っていたが、そのアンバランスの妙こそ、このシリーズを3部まで展開させる原動力となった。Ⅱの南野陽子にも度肝を抜かれたけど……(笑)
 
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 そんなこんなで、この新たな付加価値が見いだされた“セーラー服”はその後、セーラー服反逆同盟』『少女コマンドーいづみ』などといった少女特撮ドラマに受け継がれ、実写版美少女戦士セーラームーン』(これは原作もあったが)に止めを刺すことになる。
 
 しかしながら昨今、松浦亜弥スケバン刑事『ラストブラット』といった傑作以外、メジャーな“セーラー服アクション”が少ないのはとても残念なことだ。しかも『ラストブラット』に至っては、日本の伝統である“女子校生セーラー服”の文化が、日本が舞台とはいえ、他国の映画として作られているのは由々しき問題だ。
 
 確かにVシネマや単館系の映画では、未だ“セーラー服映画”は健在だが、その方向性は“戦闘”を通り越してスプラッター”“残虐”系にシフトしているようだ。
 
 そうなると、ここら辺でそろそろ、うちのサークルでも本格的な“昭和セーラー服ヒロインアクションムービー”を撮らなければ、との思いに駆られるのであった(笑)