神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

ミスマッチの妙

イメージ 1

イメージ 2

 少し前の話題だが、『メイド刑事』なるドラマに南野陽子がゲスト出演して、往年の“ヨーヨー”さばきを披露する、という企画があったらしい。私は残念ながら拝見することは叶わなかったが、ネット上でヨーヨーをかざす凛とした表情の南野陽子の姿が公開されていて、とても嬉しくなってしまった(笑)

 私にとっての『スケバン刑事』はやっぱり「てめえら、許さねぇ!」の斎藤由貴版(原作に一番忠実だったと思う)だが、可憐さ、“スケバン”というキャラへの似つかわしくなさ度においては、南野陽子が最高だったと思う。“鉄仮面”の設定もメチャクチャだったし(笑)、何といっても「お前んら、許さんぜよ」の土佐弁も秀逸だった。

 私はかねがね“ヒロインアクション”の妙は、そのミスマッチ度にあると考えている。その点、東映でかつて撮られた“スケバン(女番)”ものは、池玲子杉本美樹といったいかにも気合いの入った女優陣が登場し、まさにスケバン然とした演技をしていたと思う。その点、初めてミスマッチなノリになったのが、奇しくも斎藤由貴に始まるこの『スケバン刑事』シリーズではなかったか(それともう一つの傍流は、薬師丸ひろ子の『セーラー服と機関銃』)。

 このいかにも、あまり乗り気でなかったであろう清純派を売りにしたアイドルを説得して何とか出演させ、アクションはスタントに任せて、やがて本人もその気になっていくという過程が、何ともいい(笑) よくこの手のドラマに出演した役者が、後にその事について言及を避けるケースが多々あるが、23年もの月日が経過した後でも、ヨーヨーを構えて凛とした表情を浮かべる南野陽子の姿を見るにつけ、彼女にとっての『スケバン刑事』は今でも大きな存在だったことが伺えて、とても嬉しい。