神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

南野陽子とヨーヨー

 蟹江敬三氏追悼の意味もこめて、今日ももう一度「スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説」のネタで……
 
 「生まれてから高校生になるまでずっと鉄仮面を着用させられた女子高校生」「己の肉体を極限まで酷使する(劇場版に登場する)超強力ヨーヨー」など、前作以上に荒唐無稽、というか無茶苦茶な設定で“ヒロインアクション”ファンの度肝を抜き続けた「スケバン刑事Ⅱ」だが、私が考えるに、この作品の一番の荒唐無稽さは“南野陽子スケバン刑事をさせる”という設定そのものにつきると思っている。
 
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 確か彼女を初めて観たのが化粧品メーカー「ノエビア」のCM(確か「ザ・ハングマン」放映中のCFだったと思う)で、その時彼女は天使のような白い衣裳に身を包み、まさに“天女”“お嬢様”といった出で立ちで登場していた。そのイメージがあまりに鮮烈だったため、齋藤由貴(これまたあり得ないキャスティング!)の後を受けて、彼女が二代目麻宮サキを襲名する、と知ったときの衝撃は、半端ではなかった。しかも“土佐弁でまくし立てる四国のスケバン”“少女鉄仮面”といった、先代以上に無茶な設定を押しつけられて、正直スタッフの感性を疑いたくなったものだ。でもそれが見事にハマッたのは、既に周知の事実であるが
 
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 この“80年代東映系ヒロインアクション”に登場する数多のヒロイン(メイン)のうち、浅香唯スケバン刑事Ⅲ)・仙道敦子セーラー服反逆同盟)・五十嵐いづみ(少女コマンドーいづみ)といった面々は、確かにアクションヒロインとしての雰囲気を持っていて、殆ど素手の白兵戦も出来そうなのだが、件の南野陽子・齋藤由貴は、その“お嬢様系キャラ:が強すぎて、どんなに粋がって演じても、どうしても戦闘シーンにリアルさが感じられない。だからこそ、“ヨーヨー”という武器を持つことが、彼女の戦闘シーンにリアルさを与える要素になり得たのではないか、と思う。
 
 勿論、“桜の代紋”入りヨーヨーは、和田慎二氏の原作にも登場する「スケバン刑事」の必須アイテム(浅香唯も使用)だが、結果的に、このヨーヨーという武器のおかげで、「虫も殺さないような娘が精一杯粋がって啖呵を切り、悪党をなぎ倒す」という、私が一番愛する“80年代東映系ヒロインアクション”の特徴を“リアルに作り上げる”原動力になったのではないか、と思っている。
 
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