神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

何といっても「危機“一発”」でなくちゃ!

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 ブルースリーの“ドラゴン”以来、アクション映画(ヒロインも含む)の続編は「ききいっぱつ」と相場が決まっている。それも「危機一髪」ではなく、かのマイク水野大先生が“007”(“ゼロゼロセブン”って読んでね 笑)で命名した「危機一発」と漢字を当てるのがお約束だ(笑)

 当初『天使諜報★神宮寺真琴』の続編を撮ることになった暁には、サブタイトルを『危機一発』として、主人公・真琴に何らかの“危機”を与えようと考えたものだ。結局、続編は「市民球場映画祭」とリンクする形で既出の『市民の敵は場外へ飛ばせ!』となってしまったが、最初のサブタイトルに倣って、真琴の“危機シーン”は少しではあるが挿入している。

 ところで、この『危機一発』というサブタイトルに拘ったのは、それが“アクションものの王道”だったからだけではない。あるヒロインアクションムービーに感化されてのことだった。その映画とは、『女必殺拳 危機一発』。志穂美悦子主演の“女必殺拳”シリーズ第2弾として制作されたものだ。

 音楽は東映特撮からアニメ・時代劇まで幅広く私のような中年ヲタクのハートを鷲掴みにしてきた菊池俊輔、脚本は我らが鈴木則文御大、そして監督もかの傑作『多羅尾伴内 鬼面村の惨劇』を撮った山口和彦と、まさに東映アクションを彩る最高のスタッフ。キャストも、可憐な主人公・志穂美悦子は言うに及ばず、その助っ人には『戦え!ドラゴン』の倉田保昭、そして珍しくラストまで善玉を務める、鬼面村の「仏の皮をかぶった悪徳坊主・玄海」こと内田朝雄といった面々。勿論、悪役も豪華で“爬虫類的”なねちっこさが光るボス役の室田日出男を筆頭に、石橋雅史・藤山浩二・安岡力也(現 力也)といったいかにも悪党面の役者陣が、文字通り悪の限りを尽くす。そんな中に、モンゴルレスラー役で刈谷俊介が妙なハマリ具合で戦いを挑んでくるのはご愛敬か(笑)

 物語は、日本の密輸組織に拉致監禁された友人を救いに、捜査官「紅竜」(悦っちゃん)が来日して悪をなぎ倒す活劇だが、結局悪を滅ぼすものの友人も姉も救えないという点で、余りスカッとした爽快感はない。細いナイフで相手の目をエグるという残虐きわまりない必殺技で、結果的に姉を死に追いやった悪の首領・大曽根(室田)を、最後逆に失明させて息の根を止める、という荒技で倒したものの、香港アクションにありがちな「倒してすぐにエンド」終わってしまい、余蘊すら残させてくれなかった。

 しかしながら、いくつかの観るに堪えない残虐シーンはあるものの、そして悲壮感に充ち満ちた展開ではあるものの、流石悦っちゃんの華麗なアクションがあるおかげで、最後まで一気に観きってしまった。ヒロインアクションという観点では、やはり傑作と言っていいだろう。これもまたいろんな意味で“ヒロインアクション”を撮る自分の糧になった作品と言っていい。

 もっともあれだけ主人公を追い詰める非情な展開は、とても自分にはできそうもないけど(笑)