神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

千葉真一と志穂美悦子

 昨日はあの衝撃的なニュースに、ずっと気が入らない時間を過ごしてしまった。正直なところ、まだ「お疲れ様でした」なんてコメントが書けないくらい、気持ちが不安定なんだけれど…………晩年はいろいろあったかもしれないが、日本アクション界の祖といっていい活躍を続けて、前に書いた『復活の日』で南極基地の医者役を演じたときなど、「あの千葉真一が初めてアクション以外の役を演じる」なんて記事が踊ったものだった。

 そういえば同様に『宇宙からのメッセージ』でジルーシア王女を志穂美の悦ちゃんが演じたときにも、「志穂美悦子がアクションしないなんて」なんて驚いたりもしたが(実は彼女は同時期『ブラックジャック瞳の中の訪問者でも非アクションのヒロインを演じていた)、まあ、あの時は一応、ヒキロクという怪人に貞操を奪われそうになった時、彼にバク転して危機を逃れる、なんて場面がワンカットあったけど……それにしても、アクションしないことで彼女の美しさが際だったのを覚えている。

 そんな志穂美の悦ちゃん(なんて馴れ馴れしく書いてるけど、実際には年上で既に還暦を過ぎているんだそうだ)が、自身のSNSで、師匠である千葉真一への哀悼の意を書き連ねていたそうだ。

 

 

 確かに、『キーハンター』に憧れて、あくまでスタントウーマンを目指して岡山から上京しJACの門を叩いた塩見悦子が、後に日本を代表するリアルアクションヒロインの魁となった“志穂美悦子”となれたのは、彼女の見初めた千葉真一御大(そして『女必殺拳』企画・脚本の鈴木則文先生)のおかげといっても過言ではない。

 

 

 千葉真一氏の逝去によって、また一つ昭和が遠くなったような気がする。『直撃地獄拳』も

『女必殺拳』も、もう遙か遠い昔の話。今や平成のカルチャーさえ、今の若者からは“時代のズレ”という点で滑稽に観られるようになった昨今、「昭和」という時代に思いをはせるのは、もう途方もないノスタルジーと化してしまったのだろうか……?