神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「痴人の愛」安芸路篇

 絶望的な状況の中、それでも一縷の望みを賭けて臨んだドーム3連戦。ジョンソンの快投で幽かな希望の光が輝きだしたと思った途端、何ともしまらない逆転負けで、「王手」を詰まれた気分になった。

 その予兆はあった。意外とも言える野間スタメン。緒方はよっぽど野間に執心らしい。ここ最近(というかシーズン当初からの)極度なタイムリー欠乏状態、それ故決してポイントゲッターを期待できない、更には守備面でも心配アリの「未完の大器」をこれでもか、と言うくらい贔屓にしている。その証拠に二軍に降格はない。

 ここまで緒方の寵愛を受けている野間だが、果たして彼はそのことを粋に感じているのだろうか?彼が秘かにどのくらい練習を積んでいるか知るよしもないので、断定は出来ないが、少しは監督の期待に応えようと尽力しているのだろうか。どうして試合中、集中力を欠いた怠慢プレーが出てしまうのだろうか。かのビンタ事件。その行為そのものは決して擁護できないが、それでも敢えて書くならば、緒方が野間に“愛情”ともいえる過度の期待をしていなかったら、要は彼以外だったら、果たして「手が出た」だろうか? せいぜい2軍で干すぐらいで済んだのではないか。これこそ、彼の野間に対する(誤った)愛情の表れではなかったか。それに対し、一度はこの件に関して「自分も悪かった」と告訴しなかった野間のコメントがあったが、実際彼はこの件で告訴する気満々で、それを(どうも緒方は嫌っているような起用しかしない)長野に諭されて仕方なく思いとどまった、というのが真相らしいじゃないか。勿論暴力事件で泣き寝入りは許されないので告訴するのは当然だと思いながらも、野間には今回の緒方の行為が「愛のムチ」とはみじんも感じられていないのが覗える。まさに緒方の究極の片思い……っていうか、『痴人の愛』さえ彷彿させる。まあ哀れと言おうか、無神経と言おうか……

 緒方がここまで偏愛するくらいだから、野間には計り知れない潜在能力があるのだろう。しかしそれを活かす精神というか知性は持ち合わせていないようだ。こればかりは、周りがどれだけ諭してもどうにもならないだろう。かつて素晴らしい投球能力を持ちながら結局その能力を花咲かせることなく引退した長谷川昌幸という投手がいた。彼のいい加減な性格と大竹の神経質な性格を足して2で割ったら共に素晴らしい投手になるといわれたものの、長谷川はオリックスへトレード、大竹も“人的保障”で讀賣に行った。徒に素質をもてあまし、緒方とファン不在の“内ゲバ”を演じた野間にも、そんな匂いを感じる。

 ところで、つがいの雌ライオンに横恋慕して、元の雄を追っ払った新たな雄ライオンが、まず最初にすることは、“寝盗った”雌ライオンと元の雄との間に誕生した子ライオンを皆殺し(根絶やし)にすることだという。かつて前監督の「能無犬」の寵愛をはた迷惑なまでにほしいままにした(それ故背番号7までもらった)堂林が、現政権下で見事なまでに干されている状況を鑑みるに、その自分に捧げられた寵愛に気付かない野間は、緒方政権終了の暁には、新監督という“雄ライオン”によって、完膚無きまでに干されてしまうかもしれない。そうなる前に、彼が自らを律して「第二の鈴木誠也」なる活躍をするか否かで、彼の選手生命も決まってくるだろう。果たして堂林の、長谷川の二の轍を踏むか否か……?