神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

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『キャプテン・アメリカ』はMCU版『ガス人間第一号』?

 全身がアメリカ国旗を模したようなコスチュームを身に纏い、超人的パワーで第二次大戦下のヨーロッパ戦線に殴り込みをかける……そんな「アメリカ万歳」を画に描いたようなキャラクター、それが「キャプテン・アメリカ」に抱いていたイメージだ。『アベンジャーズ』でも青臭い正義感を振りかざし、逆の意味でチームの和を乱す男。そんなキャプテン・アメリカの出自を描いたのが『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー』だ。

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 本作は、北極の氷の中に沈む軍用機(後に宿敵・レッド・スカルの操縦する爆撃機であることが判明)から、(おそらく)S.H.I.E.L.Dによって、冷凍冬眠状態にあったキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースクリス・エヴァンス)を発見するところから始まる。しかしそこから時代は70年前の、第二次世界大戦まで遡ることになる。

 人一倍正義感(というか愛国心)が強いものの、軟弱な体躯ゆえ兵役検査で幾度となく落第するスティーブだったが、ある日アースキン博士なる生体学者にその正義感を見初められ、血清によって超人的肉体を手に入れる。キャプテン・アメリカの誕生である。ところで、ここでちょっと気になったのは、この設定って、スティーブを土屋嘉男、アースキン博士を村上冬樹に置き換えると、まんま『ガス人間第一号』になるってこと。アースキン博士の行った施術は、明らかに「人体実験」だし、村上冬樹演じる佐野博士が平和な時代に挑んだのは宇宙でも何処でも生きられる“超人”を生み出すことだった。結果、佐野博士はガス人間と化した土屋嘉男こと水野によって殺されたが、アースキン博士の方は無事実験が成功したものの、ナチス(実はヒドラ)のスパイによって射殺される。だから、水野と違い、スティーブには“異形の者”の悲哀はない。むしろ超人的な肉体を手に入れたことで、しかも“生みの親”の博士を喪ったことで、更なる正義の闘志を燃え上がらせることになる。

 しかしながら、博士の死によって血清の製法も(オキシジュン・デストロイヤーの如く)闇に葬られ、米軍が描いた「超人部隊」の構想も頓挫。たった一人では部隊も組めず、以後スティーブことキャプテン・アメリカは、志願者と国債集めの「客寄せパンダ」と化してしまう。そんな彼が、ドサ廻りでヨーロッパ戦線の慰問に訪れた際、先に従軍していた親友のバッキー・バーンズを含む部隊が、(この物語世界では)すでにナチスすら影で牛耳ってしまったレッド・スカル率いるヒドラ(ご丁寧に「ハイル・ヒドラ」なる敬礼もある)に拘束されていることを知るや、単身ヒドラの基地に強襲をかけ、見事バッキー他部隊の面々を無事救出する。その活躍によって、以後キャプテン・アメリカはドサ廻り役者から真の頼もしい超人兵士として、バッキー等と共にヨーロッパ戦線で大活躍する。だが、その戦いの過程で、親友バッキーを喪ってしまう。そのバッキーは、後に『~ウインター・ソルジャー』や『~シビル・ウォー』で、実は生きていたがヒドラに意識を支配され“ウィンター・ソルジャー”としてスティーブ等の敵となってしまうんだけれど、本作を観る前にその2作品を観て、「なんでキャプテン・アメリカはこと“ウィンター・ソルジャー”に関してはこうも弱気且つ独占的行動にでるのだろう」と思っていたが、今回『ファースト・アベンジャー』を観て、その思いが何となくわかるようになった。

 物語はその後、軍服姿の麗人(マドンナ)ことペギー“エージェント”カーター(ヘイリー・アトウェル)との情熱的なロマンスを経て、やがてアメリカの各都市を爆撃(おそらく原爆級の兵器)するべくヨーロッパの基地から飛び立った、レッド・スカル操る爆撃機に潜入したキャプテン・アメリカが、死闘の果てにレッド・スカルを異世界に追放し、しかし自動操縦によって爆撃機の軌道修正が困難と知るや、我が身を犠牲にして機を北極の海に墜落させる。それによって冷凍冬眠状態に陥った彼が、そのままの姿で70年後の現代に甦ったところで、本作が幕を閉じる。だからその続編とも言える『~ウインター・ソルジャー』の冒頭で、スティーブがいろんな事柄をメモに取りながら、必死に現代という“未来”を受け入れようとしていたわけだ。

 本作を観たら、その後のキャプテン・アメリカの言動が何となく理解できるようになった。バッキーとの関係も……そして『エンドゲーム』のラストでペギー・カーターと再会する件に往年のファンが涙したことも、今ならその思いがよく分かる。このMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のシリーズは、制作順に観賞することも、時系列に並べ直して観賞することも、実に興味深く楽しめそうだ。ただその前に、一旦全作を観通す必要があるだろう(;^_^A


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