神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『キャプテン・マーベル』~彼女に勝る究極のヒロインはなし!~

 こんなご時世であっても、ヒロインアクションに思いを馳せるのが、当ブログである。そこで、昨年4月に観賞して、既に1年以上が経過しているんだけど、今までレビューを書けなかったことが心残りだったMCU初にして稀代のヒロインアクションムービー『キャプテン・マーベル』について言及したい。

 

 さて、錚々たるヒーローを輩出してきたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバーズ)だが、意外にも本作『キャプテン・マーベル』を制作するまでは、これといったスーパーヒロインの活躍する作品はなかった。過去の作品を考えても、『アベンジャーズ』や『キャプテン・アメリカ』の一連のシリーズに登場するブラック・ウィドゥ(スカーレット・ヨハンソン)位しか思いつかない(彼女がメインの作品『ブラック・ウィドゥ』が今年度公開予定)。要は、今までDCコミックの『ワンダーウーマン』に匹敵するヒロインキャラが見当たらなかった。それには、長くMCUのCEOに君臨した、差別主義者(黒人・女性)にしてトランプ支持者(彼に100万ドルも献金)だったアイザック・パームルッターを、親会社のディズニーが追放したことが大きく原因している。何といっても、彼はDCコミック『ワンダーウーマン』の興行的成功でMCUがヒロイン活劇に活路を見出すことを危惧し、わざわざ『スーパーガール』『エレクトラ』『キャットウーマン』の興行的失敗について親会社に私信を送ったというのだがら、まさに「ヒロインアクション」の敵である。そんなパームルッターの失脚が、この『キャプテン・マーベル』を、そして公開が待たれる『ブラック・ウィドゥ』を制作する原動力になったことは想像に難くない。

 

 

 作品の内容はこうだ。元米軍パイロットだったキャロル・ダンヴァース(ブリー・ラーソン)が、極秘の新型戦闘機のテスト飛行中、不慮のトラブルで不時着した際、大破した機からあふれる未知のエネルギーを全身に浴びたため、超人的なパワーを身につけたが、その代償として自らの記憶を失う。そして件のテスト機の回収に現れた謎の宇宙人の手によって、キャロルもまた宇宙(クリー)に連れ去られてしまう。もっとも、このくだりは、彼女が全記憶を取り戻して初めてわかることで、前半はひたすら、キャロル・ダンヴァーズこと宇宙人名「ヴァーズ」の“自分探し”の物語に終始している。

 

 宇宙の列強種族・クリー人の一員となったヴァーズは、しかし彼女らの宿敵・スクラルの罠にはまって拉致され、そこで脳内をスキャンされた挙句、敵基地から脱出するものの、宇宙に放り出されてしまう。しかし、その落下先が地球だったのと、スクラルのスキャニングが功を奏してか、彼女は、変身して地球人に紛れ込んだスクラルの掃討のため、たまたま出くわした若き日のミック・フェイリー(サミュエル・J・ジャクソン)と共闘したことで、徐々に過去の記憶を取り戻していく。そこで、自分が地球人であったこととともに、今まで宇宙の侵略者として思い込んでいたスクラスが実は平和主義者で、その殲滅を目指すクリー人こそが宇宙の敵であった、という、まさに「ちゃぶ台返し」のような展開に翻弄され、その挙句、ついにスクラルと共闘して、かつて自分が所属していたクリー人に戦いを挑む、というのが物語の本筋だ。

 

 それにしても、キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースの破壊力は宇宙一といっていい、すさまじいものだ。物語前半では自分探しが中心で、まだ本来の能力を発揮できていないが、クライマックスでクリー人の呪縛を解いてからは、もはや男女なんで枠を、そして人間なんて枠をはるかに超えた、超弩級の戦いっぷりを魅せてくれる。果てには一人で敵の宇宙艦隊を一気に殲滅するのだから、ぞの破壊力は同じMCUのアイアンマンもハルクもキャプテンアメリカも、そしてソーさえもはるかに凌駕する、最強の戦士だ。物語のラストで、彼女が地球はおろか宇宙の平和のために戦うことを目指して、地球をしばらく離れる、という設定もうなづける。

 

 今までは、完全無欠のパワーを発揮する『ワンダーウーマン』(ガル・ガドット)や。物理の常識を超えて強い『LUCY』(スカーレット・ヨハンソン)こどが究極のスーパーヒロイン、って思ってたけど、昨年4月の本作観賞で、また新たな究極のヒロインを見つけてしまった思いだった。ちなみに彼女は、MCUの次作品『アベンジャーズ・エンドゲーム』でも変わらぬ最強ぶりを魅せてくれたっけ(;^_^A