神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

“美女とガス人間”

 『ガス人間第一号』ってタイトルが誤解を招くのかも知れない。いっそ『美女とガス人間』にすればいい………

 日本映画専門チャンネル恒例の「東宝特撮王国」、今月のラインナップの1本『ガス人間第一号(「第」は略字)』を観賞。かねてから傑作の誉れ高い作品だが,改めて観て、もうこれは「変身人間シリーズ」とか「東宝SF特撮」とかのカテゴリーで括るべきではない、極めて上質のメロドラマと捉えるべきだと思ったね。

 兎に角、ガス人間・水野(土屋嘉男)の一方的な寵愛を受ける春日流の家元・藤千代を務めた八千草薫の悪魔的な美しさには舌を巻く。東宝特撮映画において、河内桃子における『地球防衛軍』、白川由美における『美女と液体人間』、星由里子における『世界大戦争』、そして水野久美における『マタンゴ』といった、彼女らの魅力がマックスだった作品はそれぞれあるものの、この八千草薫における『ガス人間第一号』は、単に特撮映画におけるマックスという範囲を超えて、彼女の数多のフィルモグラフィーの中でもピカイチの美しさだったんじゃなかろうか。何というか、妖艶を通り越してある種“神々しく”もあり、同時期の京マチ子若尾文子に匹敵するくらいの雰囲気を醸し出していたように思う。

(以下続く)