『妖星ゴラス』の魅力をもう一度(;^_^A
昨晩、東宝特撮王国の枠で『妖星ゴラス』が再放映。この7月のラインアップは『美女と液体人間』『ガス人間第一号』って決まってるから、おそらく今回が最後の放映になるだろう、と思って、広島vsヤクルト戦と平行して観賞。そんなわけで、今回が最後の『妖星ゴラス』』雑感にしたい(;^_^A
本作で、作品前半に悲劇の最期を遂げる日本発の有人宇宙ロケット「隼号」の園田艇長の父という設定の生物学者・園田謙介博士、というキャラクターを、名優・志村喬が演じている。東宝特撮映画においては『ゴジラ』『ゴジラの逆襲』の山根博士をはじめ、重厚な役どころが多いが、本作の園田博士役は、他の作品と異なり、どこかホンワカとしたキャラクターを演じていたように思う。
中でも、劇中、南極に怪獣マグマが出現した際、日本から遠路遙々南極まで派遣した彼が、マグマを目の当たりにして「焼き殺してしまうのは惜しいね。せめて骨だけでも標本に持って帰りたいな」とVTOL機内でうそぶいたり、一度はVTOL機の攻撃で死んだと思われたマグマが再び活動を開始した際は、逃げる同乗者の二人を後目に、思わずマグマに歩み寄ろうとして制される“小芝居”がキャラの性格を表していて実に楽しい。思えば、同じ志村氏が演じた『ゴジラ』における古生物学者の山根博士も、ゴジラの抹殺に最後まで反対したが、このキャラと『ゴラス』の園田博士は設定上同じ“立ち位置”である。でも哀愁を漂わせる山根博士に対して、本作の園田博士役は余りにも無邪気で、それを同じ志村喬御大が演じていることが何とも微笑ましかったね(;^_^A
ところで本作は、往年の東宝特撮映画常連女優の一人である水野久美が一番可憐だった作品だとも改めて実感した。水野久美嬢は、他にも『怪獣大戦争』や『南海の大決闘』、東宝フランケンシリーズの『フラバラ』『サンダ対ガイラ』、そして何といっても『マタンゴ』といった作品で、大人の妖艶さとある種“ファム・ファタール”ぶりを醸し出す役柄が多いが、この『妖星ゴラス』では健康的なお色気を発散させる、可愛らしいヒロイン・野村滝子役を、実に魅力的に演じていたと思う。そのある意味“少女”的な装いが素晴らしく、その後の妖艶な魅力とは一線を画して、とても素敵に見えたよ(;^_^A