神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

飛び出す「東宝特撮女優大全集」! ~「ゴジラとヒロイン」~

 先日BSPにて『ゴジラとヒロイン 特撮怪獣映画を彩る美しきヒロインたち!27本の映画が大集合!』なる番組が放映された。〝広島発ヒロインアクションムービー”シリーズと称し、初のシリーズ自作品のタイトルを『天使諜報★〝神宮寺真琴』と名付け、登場人物名も「神宮寺真琴」(『海底軍艦』)、「真船桂」(『メカゴジラの逆襲』)、「白石江津子」(『地球防衛軍』『宇宙大戦争』)と命名したという、ヒロイン好き、東宝特撮好きな私にとっては、まさに夢のような企画番組だ(;^_^A オンタイムでの視聴は叶わなかったが、予約録画したものをようやく観賞できた。

 

 

 出演者も、私生活でも熱狂的な特撮ファンにして、この度「特撮ヒロイン研究家」なる肩書までついた俳優の佐野史郎に、テレ朝チャンネル2の「EXまにあっくす」でおなじみの芸人・トランクドラゴン塚地武雅という、何とも違いの分かるキャスティング。そこにアニメで数多のヒロインを演じてきた潘恵子“の娘”潘めぐみが進行役を務めるといった布陣で、ゲストも水野久美“御大”に『ゴジラ×メカゴジラ』で機龍を操縦した“怪獣使いの少女”こと釈由美子と、超豪華! まさに「別冊映画秘宝 東宝特撮女優大全集」の映像版といった番組だった。

 

 

 内容の方は、東宝特撮映画におけるヒロイン像を、「危機一髪」とか「悪女」とか「ワーキングガール」といったいくつかのカテゴリーに分けて、当時の作品映像を交えながら検証していくのだが、『ゴジラ』シリーズにとどまらず、昭和でいえば『日本誕生』『地球防衛軍』(河内桃子の肉感的な二の腕&白川由美の入浴シーン!!(;^_^A)『宇宙大戦争』『妖星ゴラス』(水野久美も入浴シーンが!)『フランケンシュタイン対地底怪獣』『フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ』(佐野史郎絶賛のガイラ東京蹂躙の際の東京駅におけるラス・タンブリンと水野久美の極限状態での愛のシーン!)『美女と液体人間』(白川由美のきわどいシーン!)『ガス人間㐧一号』(八千草薫の末期のシーン!)『海底軍艦』(ムウ帝国皇帝!)『ヤマトタケル』といった“アザーゴジラ”特撮映画の映像もてんこ盛り! そして極めつけは、ゲストで登場した水野久美の一世一代の妖艶なヴァンプ演技が光る『マタンゴ』の、あのキノコを貪るシーンにとどめを刺す! 勿論『怪獣大戦争』の波川女史の名演技も話題に上った。また、『ゴジラ対ヘドラ』に主演し、かのアバンギャルドな名曲「かえせ!太陽を」を熱唱した麻里圭子のまさかのインタビューにはびっくりしてしまった(;^_^A

 

 一方、平成の方も、いきなり釈由美子が、かの機龍搭乗時の戦闘服に身を包んでの登場で、最初からつかみはばっちり。しかも、彼女が4歳の息子と初めて一緒に『ゴジラ×メカゴジラ』を観賞した際の息子の驚き様と、いつの間にか映像の自分を応援してくれた云々の心温まるエピソードも披露してくれた(ここらあたりは、「特撮秘宝」に掲載されていた、ジェットジャガー役の駒田次利氏が孫と初めて『ゴジラ対メガロ』を観た時のお孫さんのリアクションに似ている)。ただ平成版はどうしても釈由美子中心となり、『ゴジラvsメカゴジラ』でメカキングギドラを操縦した中川安奈や、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』で釈に次いで機龍のパイロットとなった吉岡美穂、『ゴジラモスラキングギドラ大怪獣総攻撃』で超人的な活躍を魅せた新山千春、そして『ゴジラvsビオランテ』で遺伝子レベルでビオランテと融合してしまった沢口靖子らが話題に挙がらなかったのは残念だった。もっとも、俗にいう“平成ゴジラシリーズ”に超能力少女・三枝未希で連続主演した、現在セミリタイア中の小高恵美の貴重なインタビューはあった。ただもともと体調不良による女優業リタイアだったせいか、どことなく精気がなかったのは気になったけど……

 

 「特撮ヒロイン研究家」佐野史郎のコーナーでは、ヒロイン=巫女論が展開し、その巫女として『ゴジラ』『地球防衛軍』の河内桃子が上がったり、モーレツおばさんのイメージが強い塩沢ときが、過去は「賀来千香子か?」と思わせるよな容姿で実に妖艶な役柄をを演じていたかについて、妙に熱く語っていた。それにしても、佐野史郎賀来千香子を引き合いに出すのは“禁じ手”だったんじゃなかったか?(;^_^A

 

 最後は、プロデューサーとして“平成ゴジラシリーズ”を支えた富山省吾東宝映画代表取締役社長を交えて、特撮映画におけるヒロイン像は何であるかについて、富山氏の「モスラゴジラに負けないのは、モスラに“母性”があるからだ」という持論を展開しながら、皆が意見し、番組は幕を閉じた。途中、観ていて恥ずかしくなるくらい“浮いた”演出がなされるきらいはあったものの、「本多猪四郎監督の人となり」「外国人俳優との言葉の壁の乗り越えての演技」「ニック・アダムスとの関係」といった水野久美の生々しい撮影現場回顧や、機龍戦闘服姿の釈由美子、インタビュー映像による現在の麻里圭子・小高恵美の姿と言葉、田中友幸プロデューサー秘蔵の撮影現場メイキング8ミリフィルム映像 等の“本物”に触れられただけでも、素晴らしい90分だった。何といっても特撮ヒロインに特化した番組ってのがいい。是非続編も、もっともっと当時のヒロインに出演願って制作してほしい。既に河内桃子白川由美も星由里子も八千草薫も安西郷子も小林哲子も鬼籍に入ってしまったが、まだまだご健在な東宝特撮ヒロインは数多くいらっしゃるはずだから。