神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『スペースバンパイア』が好きだった……

 本当に、この2017年は、往年のホラーファンにとっては、悲嘆というか受難の一年になってしまった。つい先頃、かの『ナイトオブザリビングデッド』『ゾンビ』で世に“モダンゾンビ”を生み出した巨匠・ジョージ・ロメロ監督が亡くなったというのに、まさかその一月後に、大好きだったホラー映画の巨匠・トビー・フーパー監督の訃報を知ることになるとは……(ノ_-。) あたかも、3年前に健さんと文太兄ィの訃報が立て続けに駆けめぐったときのような衝撃を感じている。

 ロメロ監督は「ゾンビ」という恰好のホラーキャラを生み出したことにより“ホラーの帝王”の称号を得たが、トビー・フーパー監督(彼の場合はどうしてもフルネームで呼びたくなる)は、「レザーフェイス」のような特定なキャラのみならず、毎回あらゆるジャンルで世にもおぞましい作品を世に送り出し、どちらか問えば作品世界に惹かれることが多かった。

 かつての恋人だったマリリン・バーンズに『悪魔のいけにえ』ではレザーフェイズら変態家族にとことんいじめ抜かれる、それでも“ファイナルガール”となるサリー役を、そして『悪魔の沼』では、怪優ネヴィル・ブラント演じる狂気のモーテル主に拉致監禁される不幸の母親役を演じさせるなどの“鬼畜演出”もさることながら、なにやら得たいに知れない、それ故恐怖感を煽る独特の演出、「何か観てはいけないものを観てしまった」感を煽る独特の映像世界・ストーリー展開などなど、飛び・ふーパー監督の作品には、常に「邪なワクワク感」が満ちあふれていた。

 上記の『悪魔のいけにえ』『悪魔の沼』『悪魔のいけにえ2』『スペースインベーダー』等々、トビーフーパー監督作品への思いは募るばかりだが、中でも『スペースバンパイア』は特別な存在だった。監督をはじめ、脚本に『ダークスター』『バタリアン』のダン・オバノン、SFXに初代『スターウォーズ』以後、ルーカスやエドランドと袂を分かったジョン・ダイクストラといった、ハリウッドの“独立愚連隊”が一同に介し、かのヘンリー・マンシーニの血湧き肉躍るテーマ曲をバックに縦横無尽に暴れ回った(実際クライマックスでは、ロンドンをバンパイアの暴れ回る巣窟にしてしまった(;^_^A)本作の潔さ、そして一大スペクタクルにバンパイア役のマチルダ・メイの素晴らしい肢体を惜しげもなく晒したエロスも加え、まさに究極のエンターテイメントに仕上がっていた。トビー・フーパー作品の中でも、私にとってはベストワンの映画である。

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 彼の訃報は八月末だったが、私なりに追悼文を書いた今、今一度『スペースバンパイア』を観賞しながら、心の中で「野辺の送り」をしたいと思う。合掌。

 追伸:あの世では、先に待ってるマリリン・バーンズに生前の不義理(過酷な演技を強いたこと)を十分に謝ってもらって、改めて、天国か地獄か知らないが、「悪魔のいけにえ」のセルフリメイクを撮ってほしいね……



 映画「悪魔のいけにえ」「ポルターガイスト」などで知られるホラーの巨匠トビー・フーパー氏が26日、米カリフォルニア州シャーマンオークスで死去した。74歳。

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  米メディアが報じた。ロサンゼルス郡検視官が明かしたという。

  テキサス州オースティン生まれ。1974年に「悪魔のいけにえ」で監督デビュー。チェーンソーを振りかざす大男「レザーフェイス」がもたらす恐怖を描き、その後のホラー作品に大きな影響を与えた。82年の「ポルターガイスト」はスティーヴン・スピルバーグ監督(70)が製作した。

  ホラー映画の世界的巨匠13人が競作した映像プロジェクト「マスターズ・オブ・ホラー」で「ダンス・オブ・ザ・デッド」を手掛け、2006年、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で初披露。その際、来日している。

  今年7月には「ゾンビ映画の父」と呼ばれたジョージ・ロメロ監督が77歳で死去した。