神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

我が“深夜トラウマ”の魁け

 前に「通り魔的トラウマ映画」について言及したけれど、そんな「深夜枠の洋画を何気なく観ていて、いきなりトラウマを植え付けられた」作品として、自分の中で最初且つ最悪なホラー映画こそ、『悪魔の墓場』である。

 若い頃から、もともとホラーというジャンルは好きじゃなく、TVで『ゾンビ』(ジョージ・ロメロ監督)のCFが流れるだけでビビり上がっていたものだが、さすがに思春期を迎え、いつからか「ホラー映画にはお色気のシーンがきっとある」との変な情報を覚えて、邪な気持ちでホラー映画を敢えて観ていた時期があった。そんな中で観たのが、件の『悪魔の墓場』だったのだが、あまりにもグロテスクなゾンビメイク、不条理且つ後味の悪すぎる結末に、すっかり自分の中で“トラウマ映画”になってしまった。

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 作品自体は、ロメロ監督の『ナイトオブザリビングデッド』の影響下で作られたマカロニ(&スペイン合作!)の映画だったんだけれど、ロメロ監督と違い、ゾンビ(生ける死者)化の原因が、謎の宇宙線というアバウトな設定ではなく、単純な細胞構造の害虫を互いに殺し合わせて駆除する装置の電波が、同様に腐敗して細胞構造が単純になった死骸さえも蘇らせ、生きた人間と殺し合わせるって発想が、まずユニークだった(まあ実際にはあり得ない話だけど、宇宙線よりは妙にリアルだったりする)。そんな中、主人公の2人だけがゾンビの招待に気付き、蘇ったゾンビとの孤独な闘いを繰り広げるが、誰も彼らを助けないどころか、ゾンビによって引き起こされた殺人事件を彼らのせいだと思いこみ(ここら辺の思いこみ違いはサブ監督の『ポストマンブルース』に匹敵する!)、結局孤軍奮闘した主人公の男は、憐れ勘違いした刑事の銃弾によって死んでしまう、という最悪の後味の悪さで幕を閉じてしまう。ゾンビを生み出している害虫駆除装置は、未だ作動を続け、件の刑事は、逆に射殺されてゾンビ化した主人公の男によって因果応報に殺されて、ジエンド。こんな映画を深夜に観せられた高校生は、その日無事に就寝できるだろうか、って思ったくらい、不条理極まりない映画だった。

 それと、劇中病院が舞台になり、そこに安置されていた解剖済みの遺体がゾンビ化して、ぽっかり空いた腹から贓物を剥きだしにしたまま人間を襲うという、なんともおぞましいシーンもあって、その後しばらくは脳裏を離れなかったよ……(ノ_-。)
 
 それから幾星霜……齢を重ねて、今やすっかり図太くなったけれど、さすがに未だこの『悪魔の墓場』を再見する勇気はない。特に病院のシーンは……(;^_^A