神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

モダンゾンビの魁け

 あれは確か中一の頃だったろうか、TVのCMでやたらと「エレベーターに向かって、顔面真っ青(というか土気色)の恐ろしげな集団が、両手を前に掲げて迫ってくる」映像が流れ、その直後に「ゾンビ」というナレが流れるものが放映されていた。当時「ゾンビ」なる言葉の意味も知らず、ただただ不気味で訳の分からないこのCMに混乱したものだった。そんなわけで、この映画をリアルタイムで観ることもなかった。

イメージ 2

 やがて、ホラーブームという波の中で、この作品がどんな映画か、そしてこの作品の監督が「ジョージ・ロメロ」なる人物であることを知ったが、その時点ではまだまだ我が琴線に触れることなく、せいぜい『緯度0大作戦』で敵役のマリクを演じたシーザ・ロメロ(『バットマン』初代映画版の「ジョーカー」役)とこのジョージ・ロメロ監督を混同して、「ああ、この人『緯度0~』にも出てたんだ」って勝手に勘違いしたこともあた。

イメージ 1

 その後、土曜の深夜枠でこの『ゾンビ』を観たり、同監督の『クレージーズ』をゴールデン洋画劇場で観たり(当時の放映タイトルが『第二のカサンドラクロス』だったっけ……)しているうちに、このロメロ監督のことを十分認知するようになり、やがて、大学での映画制作時代を経て帰広した際、映画が撮れない欲求を満たすためにやたら映画館通いをした、その最初に観たのが『死霊のえじき』だったと思う……

 何はともあれ、現在巷に氾濫している数多の「モダンゾンビ」映画の礎を築いたのが、紛れもなくこのジョージ・ロメロ監督である。以前にもこのブログで書いたが、もし彼が「モダンゾンビ」の定義を著作権申請していたら、おそらく巨万の富を手に入れていたであろうことを考えるにつけ、この度の彼の訃報を知るにつけ、彼の偉大すぎる足跡に、尊敬の念を抱かずにはいられない。

 現在、いろんな形でホラー・スプラッターに関わっている映画・ドラマ人は、決して彼に足を向けて寝られない、それくらい、ホラー界において、無二の足跡を残してくれた監督だと確信している。

 このくらいの言葉ではとても今の気持ちを伝えられないけど、何はともあれ、ジョージロメロ監督に最大級の哀悼の意を捧げたいと思う……合掌



ゾンビ映画の巨匠、ジョージ・ロメロ監督逝く 77歳

【AFP=時事】(更新)1968年の古典的カルト映画『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生(Night of the Living Dead)』でゾンビ映画のひな型を作った米国の映画監督、ジョージ・A・ロメロ(George A. Romero)氏が16日、死去した。77歳。ハリウッド(Hollywood)などから伝説的な映画監督の死を悼む声が相次いだ。

 死去はマネージャーが明らかにした。肺がんを患っていたという。妻と娘がいる。

 1940年、ニューヨーク(New York)でキューバ人の父親とリトアニア系米国人の母親のもとに生まれた。ピッツバーグ(Pittsburgh)のカーネギーメロン大学Carnegie Mellon University)に進学。すべての作品は同市一帯で撮影している。

『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』は、生けるしかばね(ゾンビ)による襲撃から人々が逃れようとするあらすじのモノクロ映画。大胆にも黒人の俳優デュアン・ジョーンズ(Duane Jones)を主人公役に起用した。

 わずか10万ドル(現在のレートで約1120万円)の低予算で制作されたにもかかわらず、世界で興行収入3000万ドル(同約34億円)以上をあげ、続編5本も制作された。今日のハリウッドでも一つの定型となっているゾンビ映画というジャンル全体を盛り上げた。

 監督本人は、リチャード・マシスン(Richard Matheson)の1954年の小説「アイ・アム・レジェンド(I Am Legend)」から影響を受けたことを認めている。

 作品は1999年、米議会図書館(Library of Congress)の「米国立フィルム登録簿(National Film Registry)」に保存登録された。

■S・キング氏らが追悼コメント

 ほかの作品に『ナイトライダーズ(Knightriders)』(1981年)、米作家スティーブン・キングStephen King)氏が脚本を手がけた『クリープショー(Creepshow)』(1982年)など。監督としては2009年の『サバイバル・オブ・ザ・デッド(Survival of the Dead)』が遺作となった。

 キング氏はツイッターTwitter)で「私の大好きなコラボレーターで、古くからの友人でもあるロメロが亡くなったと聞き、悲しんでいる。あなたのような人物はもう現れないだろう」と故人をしのんだ。

 ホラー映画監督のイーライ・ロス(Eli Roth)氏は『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』でのジョーンズの起用に言及し、「50年前に人種差別に立ち向かった」と高く評価。また、ゾンビがかみついてウイルスをうつすことや頭を撃たれて倒されることなど、今日まで続くゾンビ映画の約束事を「すべて」発明したとたたえた。【翻訳編集】 AFPBB News