神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

226雑感

 今日、2月26日を迎え、やはり意識してしまうのがかの「2.26事件」だ。このクーデターに関しては、以前は軍事独裁政権樹立を目指した右翼の血気盛んな青年将校たちが起こした事件だと思いこんでいたが、実際は当時の政治腐敗、政治家と財閥との癒着、および農村の困窮の収束を目指し、天皇親政の下、平等社会を実現するために起こしたクーデターであることが後に分かった。まさに彼らなりに私利私欲ではなく「世直し」を目的としていたわけで、「クーデター」という手段だけは決して相容れないものの、今の日本社会を考えると、あながち全否定できる思想ではなかったような気がする。

 そのせいか、過去の「2.26」を取り扱った映画は、『日本暗殺秘録』にしても『動乱』にしても『226』にしても、青年将校の側から描かれても、決して犠牲になった政治家のサイドに立って作られた作品はない。それ故、彼らの顛末を知っているだけに、あたかも彼らが“赤穂浪士”のようにみえてしまう。確か“赤穂浪士”は吉良の殺害(仇討ち)よりも、浅野内匠頭のみ切腹を厳命した“お上”の不平等な沙汰に抗議することが大きな目的だったが、226の青年将校も、投降後、法廷闘争によって、このクーデターを起こした背景である政財界の癒着・腐敗や農村部の困窮という貧富の差、ひいては不平等な社会を陽の下にさらすことを最後の目的とした。しかし共にその事実の発覚を恐れた当局(幕府)によってろくな裁判も(裁き)も行わず、首謀者たちは抹殺されてしまった。

イメージ 1

 こんな歴史の暗部を知るのも、我々には映画があるからだ。特にB級娯楽映画やオールスター大作のフォーマットに巧みな政治批判・態勢への反感などを折り込み、我々の意識化に刷り込んでいった70年代東映映画の心意気(特に鈴木則文深作欣二野田幸男山口和彦牧口雄二 石井輝男といった、東映プログラムピクチャー監督諸氏)には喝采を送りたい。

 私もインディーズながら“武器密輸”“原発問題”“野球賭博”ネタで細々と問題提起やってます(;^_^A フォーマットは“ヒロインアクションムービー”だけど(;^_^A