神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

ひろしま映像ショーケース2021

 先日、映画における台本の在り方について言及し、ついでに“非ヒロインアクション”のファンタジー作品を書き上げたことにも触れたが、当団体イチヱンポッポフィルム(IPF)も、一時期隆盛っていうか、そればかりが続いていた“ヒロインアクション”から、最近は様々なジャンルの作品を撮るシフトにチェンジしつつある。そこら辺が顕在化しているのが、ここ数年の「ひろしま映像ショーケース」におけるIPFの出品作品である。もっとも今までは、完成から数年が経過した『ビターズエンド Part1』(鏑木悟道監督)や、往年(昭和)の8ミリフィルム映画(『むてっぽう。』『シューリンクス』など)だったりしたが、この度の「映像ショーケース」では、ようやくほぼ新作といっていいファンタジー作品を公開することとなった。

 

 この度上映するのは、昨年2月に封切った『凪いだ、あの夏の日』(石井清一郎監督)である。すでにご覧になった方々も多いと思うが、広島に根差した、正統派かつ本格的なファンタジー作品である。長く舞台や映画の現場でスチールカメラマンを務めた監督だけあって、その卓越した映像美は折り紙付きである。新型コロナ禍の影響が深刻化する直前の封切時には、あの広島市西区民文化センターのキャパ150名のスタジオをソールドアウトさせた、記録的な作品でもある。

 

 本作に関しては、昨年2月公開のオリジナル版と、若干楽曲を変えて今年1月にネットで公開した配信版の2種類が存在するが、今回はオリジナル版が上映される。

 

 グループ名の「イチヱンポッポ」が、『さびしんぼう』(大林宣彦監督)で印象的に登場する「福本渡船」の地元愛称を語源にしていることからわかるように、本来はファンタジー作品に特化した映画を制作してきた当団体にとっても、“先祖返り”といっていい本作を、まだご覧になっていらっしゃらない方は勿論、すでにご覧になった方々も、ぜひ改めてご観賞ください! 入場は無料です!

 

 


ひろしま映像ショーケース2021(関係分)

■日時 2021年3月20日(土・祝) 13:00~17:00

■会場 広島市映像文化ライブラリー
■入場 無料
■上映作品

〇Quest Movie Factory(QMF)
  『空蝉の箱』(監督/吉松幸四郎 75分)

 ・消えゆく自然の中で人と精霊(妖怪)達との交わりを静かに描く、ゆるやかな映像散文詩

〇広島を盛り上げる実行委員会
  『花のうた』(監督/山中富雄 50分)

 ・~汚れた世界にたった一人、美しいものを私に見せてくれる人~

〇イチヱンポッポフィルム(IPF)
  『凪いだ、あの夏の日』(監督/石井清一郎 35分)

 ・青年と少女が触れ合う儚い瞬間を美しい映像で描いたファンタジー作品。

〇市民活動で映画製作をする会
  『風鈴と僕と。』(監督/はまの省蔵 30分)

 ・会社でのいじめに苦悩する青年が、癒しを求めて訪れた風鈴の家で巻き起こる騒動。