神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

40年前の映画界を振り返って

 今年は『スターウォーズ」の日本公開から40周年、ってことは過日このブログでも触れたけど、その今年40周年の1978年にどんな映画が日本で封切られたか気になって検索してみると、なかなかどうして凄いものがあったよ!!Σ(゚д゚;)

 当時はまだ松竹の『男はつらいよ』も東映の『トラック野郎』も『東映まんがまつり』も、年2本(回)ペースで上映されていて、また2本立てが主流だったようだ(だから1本立てを「ロードショー公開」っていってた)。まだまだ古き良き時代だったよ(;^_^A

 そんな70年代にとっぷり浸かった当時は、東映では、石井輝男鈴木則文といったゴラクの巨匠が頑張って撮っていたエログロ時代劇はなかったかのような口調で「東映時代劇復活の狼煙!」的な惹句が踊った『柳生一族の陰謀』に、『カラテ大戦争』『沖縄10年戦争』『日本の首領・完結編』といった実録モノプラスアルファーのプログラムピクチャー、マイトガイでリメイクしたが『多羅尾伴内』と『多羅尾伴内 鬼面村の惨劇』という2本で終わった徒花シリーズ、東映セントラルの優作主演シリーズ『最も危険な遊戯』『殺人遊戯』、そこに異様なほど格調高い健さん主演の任侠(実録?)映画『冬の華』、同じく健さん角川映画とタッグを組んだ『野生の証明』、そして忘れてならない『宇宙からのメッセージ』が続く。東宝はというと市川崑監督の金田一シリーズの『女王蜂』といかにも70年代東宝系アイドル映画といった風体の『ピンク・レディーの活動大写真』が印象深い。また喜八監督の陰鬱としたSF『ブルークリスマス』も強烈だった。松竹はというと、家族向けの『キタキツネ物語』と、自衛隊クーデターがテーマのハードなサスペンス『皇帝のいない8月』という、両極端な2本が記憶に残っている。更に寅さん映画の併映として、当時はヒット曲が出る度に映画化されていた吉幾三の唄のタイトルまんまの『俺は田舎のプレスリー』があったっけ……

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 アニメの方も徐々に、テレビ公開作品の再編集ではなく、アニメキャラの新たな物語が制作され始めた頃で、『宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち』やルパン初映画化の『ルパン三世』といった作品が公開され、かなり盛況だった。特に「ヤマト」の方は後のアニメ映画ブームの火付け役だったと言っていい。

 ところで、洋画に目を向けると、これがただただ凄い! 勿論『スターウォーズ』とルーカスの盟友スピルバーグの『未知との遭遇』の2本が突出しているが、そんなSFの世界においても、一応H・G・ウェルズ原作の『ドクターモローの島』や『北京原人の逆襲』『マニトウ』(!!)『デモン・シード』(!!!)『溶解人間』(!!!!)といった、ドB級ながら愛さずにはいられない作品群が続く。動物パニックモノも、共に『ジョーズ』の“柳の下のドジョウ”を狙って玉砕した、ヤノット・シュワルツの『ジョーズ2』と、コーマン門下のジョー・ダンテが撮った『ピラニア』があった。アクションといえば、ペキンパーの『コンボイ』やロートル戦士の戦争スペクタクル『ワイルドギーズ』、そしてこれまた陰惨で暗くハードボイルドなテイストの『ドーリングサンダー』が印象的だった。そんな中にかの往年の名作『恐怖の報酬』のリメイク(ラストが違う)や、モンド映画の『カタストロフ世界の大惨事』、アルジェンド作品で「2」なのに前作より古い明らかな二番煎じ狙いの『サスペリアPART2』、ランディススラップスティック系コメデx-『ケンタッキー・フライド・ムービー』などが混在し、そこに極めつけの、一大ディスコブームを興した『サタデーナイトフィーバー』が上映された年でもあった。

 実はこうやって書き連ねているだけでも得も言われぬ高揚感がもりもり浮かんでくる(;^_^A 「ああ、こんな凄い年だったんだ」なんていう高揚感が……当時はまだ中学生だったけど、確かに映画館には結構通ってたような気がする。今や殆どDVDやBDになってしまって、劇場にかかる機会も……否単館映画館自体がなくなってしまっている状況なんで、当時の活況や高揚感をまた体験する術はなくなってしまったけど、たまにはDVDを当時よりは少し大きくなったテレビの液晶画面で観賞して、今から40年前の時代に思いを馳せてみるのも楽しそうである(;^_^A