神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「東映ピンキーバイオレンス」の夢

 仕事帰りに、「修羅の花」を聴きながら河原の土手を走っていると、眼前に広がる河口へ沈む夕日があまりにもギラギラと真っ赤に輝いて、思わずこの主題歌の映画『修羅雪姫』で、着物姿の雪こと梶芽衣子が全身に返り血を浴びてドス片手に凄む姿を思い起こし、思わず身震いしてしまったよ(;^_^A

 この『修羅雪姫』は、タランティーノの『キル・ビル』でも引用され、1ではラストのブライド(ウマ・サーマン)とオーレン・イシイ(ルーシー・リュー)との一騎打ちの雰囲気と挿入される「修羅の花」で、2では若かりし頃のブライドがパイ・メイに鍛えられるシーンが、幼少期の雪が道海和尚(西村晃!)の過酷な修行に耐える姿と非常に似通った形で描かれている。そう思うと、きっとタランティーノは青葉屋の女主人あたりを梶芽衣子にオファーしたかったんじゃないかな、なんて思ってしまう。もっとも、実際にオファーしたのが80年に『夫の目の前で、今…』で1980年ピンクリボン賞を受賞したロマンポルノ界の往年のスター・風祭ゆきってのには、タランティーノの底知れぬマニアックぶりがうかがえて何とも可笑しい(;^_^A

 さて、この『修羅雪姫』は彼女が東宝に移籍後撮ったヒロインアクションムービーだが、やはり梶芽衣子といえば、その前の東映作品『女囚さそり』シリーズの方が有名だ(個人的にはその前の『銀蝶渡り鳥』の方が好きだが……)。当時の東映には、他にも志穂美悦子の『華麗なる追跡』『女必殺拳』シリーズや、杉本美樹の『0課の女・赤い手錠(ワッパ)』、池玲子の『牝蜂の逆襲』、多岐川裕美の『聖獣学園』などなど、ダークなヒロインアクションムービーが多作され、俗に「東映ピンキーバイオレンス」と呼ばれているらしいけど(特に『華麗なる~』と『0課の女』は最高!)、時折DVDやCS放送などでこれらの作品を拝見すると、懐かしさ以上に破天荒且つ破廉恥なパワーに圧倒されて、時間を忘れて見惚れてしまう(;^_^A

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 最近のヒロインアクションは、前にも書いたけど、ゾンビとのカップリングや、やたら激しくむごたらしい作品ばかりが目立つけど、この時代・70年代に百花繚乱の如く量産された一連のこれら東映ピンキーバイオレンス作品群には、確かにエロスとおびただしい血糊、激しいアクションはあったものの、もっと情念たっぷりでもう少し“秩序”があったような気がする。だから今観ても結構落ち着くんじゃないかな……

 そんなわけで、私も昨今の大手映画界やビデオ業界が撮ってくれない、この時代の雰囲気を醸し出す映画を求める余り、インディーズながらヒロインアクションムービーを撮り続けているかもしれない。もっともウチのは、「70年代東映系ピンキーバイオレンス」というよりも「80年代東映系ヒロインアクションムービー」の方なんだけどね(;^_^A

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