神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『戦後猟奇犯罪史』放映???

 昨晩、何気なくCATVをつけて観たところ、何と『戦後猟奇犯罪史』を放映しているではないか! しかも「東映チャンネル」ならまだしも、日活系の「チャンネルNECO」とは……w(*゚o゚*)w

 この映画、日本映画関係(「映画秘宝」系?)の雑誌では何度も取りあげてあったカルト作品で、ずっと前から何とか観ることは出来ないだろうか、といつも思っていたものだった。それが思いがけず、といおうか、作品のテイスト上まず不可能だと思っていた一般レンタルショップに並ぶという“奇跡”に遭遇して、2年前の夏に、念願叶って観賞することが出来た、という逸品である。

 内容は、というと、我々の世代ならば忘れることが出来ない問題番組「ウイークエンダー」(三面記事や週刊誌ネタの下世話な事件を、レポーターと称する出演者が面白おかしく解説する番組)の世界観そのままに、しかも当時実際に当番組に出演していた泉ピン子にまんまレポーター役を演じさせるという、いかがわしいと言おうか、当時の東映の“無節操さ”を絵に描いたような作品に仕上がっている。尤も当時はそんな東映のことをあんまり知らなかったけどね(;^_^A

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 ストーリーは3部構成で、実際にあった「西口彰」「克美しげる」「大久保清」といった時代を震撼させた事件を、まさに「ウイークエンダー」のお家芸ともいえる「再現映像」で綴っている。勿論それぞれ仮名(「西本明」「風見のぼる」「久保清一」)がつけられているが、実在の事件であったことは一目瞭然。特に「克美しげる」事件は、制作途中にこの事件が発覚し、急遽作品の中にエピソードをぶち込んだ、という、まるで“スピードポスター”を地でいくような商魂猛々しい逸話も残っている。その分、このエピソードはとても短くあっさり終わるんだけれど、当時を思い出しても、この事件ぐらいしかリアルタイムでは記憶がないなぁ………

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 「猟奇」と銘打ってあるだけに、エロスの要素も強く、そこら辺のいかがわしさも本家の「ウイークエンダー」譲りなんだけれど、それだけに、そのエロスと真正面に向き合っている「大久保清」事件のエピソードが一番充実していた。

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 何と言っても、久保清一(大久保清)役・川谷拓三のあっけらかんとした演技っぷりが実にいい。ほんの2,3年前に、リンチの果てに木につるされて千葉真一(大友勝利)のカービン銃の餌食になって果てた村岡組構成員を哀れに演じていた(『仁義なき戦い広島死闘編』)ことが嘘のように、実にとぼけた、そして憎々しく“稀代の連続暴行殺人魔”になり切っていた。どうも彼には“哀れ”“ストイック”といったイメージがつきまとうので、『暴走パニック大激突』における“ぶち切れ警官”同様、こんな川谷拓三を観ていると嬉しくなってくる(^^) まあ最後はむごたらしい結末が待っているんだけれど………

 そういえば、この久保清一が劇中“女性ハント”のために使った車はトヨタのコロナだったけど、実際に大久保清が乗っていたのは、今とときめく“広島東洋カープ”の“東洋”の部分に当たる元オーナー企業「マツダ」の「ファミリアロータリークーペ」だったんだよね……

 それにしても、こんな作品まで流れるんだったら、ここは一つ、同じ牧口雄二監督の超問題作『徳川女刑罰絵巻牛裂きの刑』も勢い放映してほしいところだけれど……まあ無理無理ヾ(ーー )