神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「三億円事件の日」で思い出すのは………

 今日12月10日は、今から42年前にかの「三億円事件」が発生した日らしい。その頃は勿論生まれていたけれど、まだ物心がつく前だったんで、事件当時の喧騒は記憶にない。ただどんな事件かも知らず、子供心に「三億円事件」というフレーズと、あのモンタージュ写真や白バイといったアイテムだけはよく知っていた。そして未解決の事件であることも。今となっては“三億円”とい額にそんなに驚きはしないが(かといって一生かかっても手にできる金額ではないけどね(;^_^A)、当時はとてつもない大金、というイメージがあった。そして、どういう計算かわからないが、1975(昭和50)年に時効が成立したのも印象に残っている。その年は広島東洋カープが初優勝した年でもあった。

 

 そんな「三億円事件」と聞いて、今となっては、まず『実録三億円事件 時効成立』がまず思い浮かぶ。これは時効時期に合わせて制作され、しかも時効1か月前の11月22日に公開されたという、典型的な和製エクスプロイテーション映画で、監督は“東映異常性愛路線”の旗振り役だった稀代の“カツドウ屋”石井輝男御大で、主演は岡田茂・元東映社長(名誉会長)の子息にして後に東映代表取締役グループ会長にも就任する岡田裕介という、まさに東映プログラムピクチャーを象徴するような作品だった。

 

 

 ちなみに、主役を務めた岡田裕介氏は、今年11月に惜しくも鬼籍に入った。享年71歳。若い頃は優男ぶりが評判で人気も高かったらしいが、70年代まで主に東宝作品を中心に出演した後、プロデューサーに転身し、やがて父・茂氏に代わって東映グループをまとめる職に就いたのだそうだ。彼のキャリアは、グループサウンズを経て黒澤プロダクションの社長に収まった、黒澤明監督の子息・久雄氏とダブって見える。それにしても、東映総帥の息子にして、本作のような“キワモノ中のキワモノ”といっていい作品で主演を張るとは……なかなかの強者とお見受けする。そんな“違いの分かる”人物故、もっともっと生きて、邦画界を裏支えしてほしかったなぁ……合掌

 

 

 

東映会長の岡田裕介(おかだ・ゆうすけ)さん(本名岡田剛=おかだ・つよし)が18日午後10時58分、急性大動脈解離のため東京都