神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

般若ァ……!

 過去にシリーズと比べ、殆ど見る機会に恵まれたかった『スケバン刑事Ⅲ 少女忍法帖伝奇』だが、その黎明期に観た、依田 一也こと“般若”の登場シーンは、今も鮮烈に記憶に残っている。般若がかぶった面を外し素顔を晒す瞬間、観ている誰もが思ったはずだ、「般若の面を脱いでも般若」と……

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 そんな強烈なインパクトを以て、我らが『スケバン刑事』の世界に参入したのが萩原流行氏。かの日本を代表する詩人・萩原朔太郎とも縁がある云々の噂もあった由緒ある俳優でありながら、確か最初にブレイクした2時間ドラマの役は、当時物議を醸した「三浦和義」(“カズ”ではない)を模した悪役だったと記憶している。以後、単なる悪役を越えた卑劣なキャラを、そのニヒルな容姿で淡々とこなしてきた、そんな印象がある。それだけにこの“般若”役は、同じくロマンポルノの“強姦魔”役が多かった故蟹江敬三氏が全シリーズの『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説』で正義のエージェント“西脇”を演じたのと同様、良い意味での“イメチェン”だったと認識している。

 近年、バラエティーなどで魅せるズッコケ振りで、それまでの“恐ろしく抜け目なく妖しい”イメージはすっかり払拭されたが、また硬派なドラマで、どす黒い悪役を嬉嬉として演じてもらいたかった……

 今回の突然の訃報に大いに驚いている。ついこの間“西脇”こと蟹江敬三氏を“心で”看取ったばかりなのに……「暗闇指令(長門裕之)」も物故して久しいし、偉大なる原作者・和田慎二氏も含め、『スケバン刑事』関係者が命を落としていくのは本当に哀しい。心配になって、“神恭一郎”こと中康次氏の消息を検索したら、まだご健在で、これは安心した。

 でも萩原流行氏は、前出の中康次氏より1歳若かった。それだけに、今回の萩原流行氏の早すぎる死が悔やまれる………

 “般若”に合掌……