エクスペンダブルズ ツゥ!
スタローンが往年のアクションヒーローを“かき集めて”往年のスペクタクル映画ファンを狂喜させた『エクスペンダブルズ』。その続編として、「さらに」どころか「2乗3乗」スケールアップしたのが『エクスペンダブルズ2』だ。
本作の魅力は何と言っても、1980~2010年代までのアクションスターを“過不足なく”網羅した点につきる。野球でいうところの“マスターリーグオールスター戦”のごとき様相だ。しかも前作で、単なる“顔見せ”に終わったアーノルドシュワルツェネッガーやブルース・ウィリスといった大物が、今回は“手を抜かず"しっかりアクションしているのが嬉しい。
そこに助っ人参戦するのが、かの"伝説の男"チャック・ノリス。前半ややダレ気味の展開が、チャック・ノリスの登場で俄然盛り上がってくるのが凄い。しかもクライマックスでは、スタローン・シュワルツェネッガー・ウィリス・ノリスが銃を片手に揃い踏み、というあり得ない光景が展開する。このシーンは観ているだけでアドレナリンが湧き上がったね!
ストーリーは単純明快。CIAのチャーチ(ウィリス)の依頼で、旧ソ連(ここら辺の設定もオールドファン泣かせ!)が極秘裏に貯蔵していたプルトニウムの奪還(当初の指令は場所を示す装置の回収に過ぎなかったが……)を、バーニー(スタローン)率いる"エクスベンタブルズ"の面々が請け負うというのが大まかなストーリーだ。そんな中で、新メンバーの若手狙撃手ビリー"ザ・キッド"ティモンズが、犯罪武装集団「サング」によって殺害されたことで"復讐劇"の要素が加わり、後はハチャメチャ・ノンストップで怒濤のようにストーリーは突き進んでいく。もう理屈抜き、力任せの展開といっても過言でない。
前半におけるジェット・リーの"戦線離脱"は不可解だったものの、前作でくすぶっていたドルフ・ラングレンは完全復活。またジェイソン・ステイサムは相変わらずの安定ぶりで、もし本作が廉価版の『戦え!エクスペンダブルズ』になったら、間違いなく新リーダーは彼になるはずだ(この比喩、判りますか?)。そんな"新世代"と"往年"のアクションスター揃い踏みのクライマックスは、もう理屈を越えて、鳥肌が立ちほど感動したね。シュワルツェネッガー・ウィリス・ノリスの3人が"助っ人参加"というのも、東映B級プログラムピクチャーっぽくていい。
そんなメガトン級の面々を相手にするのが"ジャンジャンジャジャン"ジャンクロード・"ヴァンヴァ"ヴァンダムってのも嬉しい。もう本作では、"右腕"のヘクター(スコットアドキンス)と共に、憎まれ役の全てを一身にしょって、「もうこいつを叩き殺さないと」と思わせるくらいの名演技だった。もっともヴァンダムがどんなにワルぶっても、あの4大アクションスターが相手では戦う前から勝ち目ない。まさに"集団リンチ"の様相を呈していたね。