神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

アクションムービーの“クール”なテクニック

 今まで手を変え品を変え、すっと『シン・ゴジラ』に拘ってしまって来たので、時には別の話題で……(;^_^A

 “ポスト・スタローン”“ポスト・シュワルツェネッガー”として個人的には期待大の、活かした“リアルスキンヘッド”のジェイソン・ステイサム。彼が敏腕の殺し屋・ビショップとして主演する『メカニック:ワールドミッッション』において、武器商人のエイドリアンを事故に見せかけて殺害するシーンがあるのだけれど、難攻不落のエイドリアンの高層ビルに潜入し、彼が愛用する屋上の天空プールの底に穴を開けて、彼を転落死させる場面は何ともクールで、ターゲットが人身売買にまで手を染めた極悪人なんで(そしてこれは虚構の映画なんで)観ていて胸がすく思いだった(飽くまで映画だから)。

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 そういえば、邦画でも、映画リメイク版の『ワイルド7』の冒頭で、凶悪銀行強盗団に“ワイルド7”の面々が情け容赦ない“処刑”を加えるシーンも凄い。一味の一人が人質に取ってきた女性行員を射殺しようとした瞬間、どこからともなく飛んできた弾丸にこめかみを撃ち抜かれて逆の射殺されるいや否や、装甲トラックにいきなり追突されて吹っ飛ぶ一味の車。それは先に逃げだした仲間の車両の直前に飛ばされて、一大クラッシュとなる。そこへやってきた“ワイルド7”の面々。必死に形相で車からはい上がる数名の凶悪犯はすっかり彼らに包囲される。そこでリーダーの飛葉(瑛太)がうそぶく「お前ら全員、『退治』する」。思わず鼻で笑う犯人の一人「それを言うなら、『逮捕』だろ?」。しかし次の瞬間、情け容赦ない一斉射撃によって、犯人一味は一人残らず射殺される。そこで飛葉は顔色一つ変えず、「ほら、『退治』だろ」………な、何てクールなんだ! これまた対象が凶悪技能強盗犯一味でそれまで極悪非道の限りを尽くしてきたのだから同情の余地もないんで(そしてこれは虚構の映画なんで)、やはり観ていて胸がスカっとするね(飽くまで映画だから)。

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 そんなわけで、私にとっての“クール”とは“粋”や“ハードボイルド”とも重なって、「粋な作戦」「粋な殺害」という映画独特の表現テクニックにあたる、というイメージが強い。もちろん、そこには完全無欠の主人公がいて、決してくよくよ悩まない、迷わない。そして相手は同情の余地なき極悪非道の輩であることが必須条件だ。そう考えると、若山富三郎主演の劇場版『子連れ狼』に於ける拝一刀のハチャメチャに強い剣劇も、やはり“クール”なわけで、主人公以外の登場人物(敵役)に一切の感情移入をさせる暇もない展開故、拝一刀の活躍は観ていて拍手喝采だ(飽くまで映画だから)。

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 ハリウッドでは、スタローンの『ランボー2』『ランボー3』『コブラ』や、シュワルツェネッガーの刑事・軍隊・SFアクション全てに、そんなクールさを感じていた。しかしながら最近のハリウッドは、どうも一筋縄ではいかない主人公や敵役の登場が相次ぎ、往年の“クール”さ(及び“バカ”さ)が失われてしまっているのは実に残念だ。『デッドプール』や『スーサイド・スクワッド』辺りには大いに期待していたんだけれど、すっかり『肩すかし』に遭ってしまったし……そうそう『バットマンvsスーパーマン』も………

 昔ならば『大都会』『西部警察』辺りで十分味わえたこのいびつな“クール”さを、また味わえる日が来るのだろうか……?

 ちなみに政府辺りがしきりにアピールしている“クールジャパン”って何?