神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「異世界紹介映画」としての『ファンシイダンス』

 周防正行監督の『ファンシイダンス』をようやくラストまで観ることが出来た。今まで何度も地上波やCSで流れていたが、大抵途中で観るのを断念(決して面白くなくなったからではなく、不可抗力による)せざるをえなく、結末を観たのは初めてだった。今やグルメレポーターとしてでっぷり太った彦魔呂が、エラもくっきりのスリムな修行僧役で登場するのも感動モノだが、他にも初々しすぎる大沢健(娘は彼を女性と見紛っていた!)やまだアイドルだった鈴木保奈美、そしてなんと云っても剃髪頭で素敵な演技を魅せる本木雅弘が秀逸な作品だった。ラストがあっさりハッピーエンド、といかなかったのはちょっと意外だったけれど……
 
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 物語も実にわかりやすく、また「寺の修行」という凡人には未知の世界を説明を交えながら紹介する手法も面白く、後の『シコふんじゃった』『『Shall we ダンス?』といった"How to 映画"の先駈けとなっている。この手法は後に矢口史靖監督の一連の作品(『ウォーターボーイズ』『スゥイングガールズ』『WOOD JOB!』)継承されているが、観客の興味を惹く作品作りに、監督のエンターティナーぶりが受け取れて嬉しくなってくる
 
 それにしても、新東宝でデビューし(『変態家族・兄貴の嫁さん)、一般映画第一作の本作が大映配給なんて、何か往年の日本映画に思いをはせる身としては、周防監督の経歴を見ると嬉しくなってしまう(尤も"新東宝"な後のピンク映画会社だけどね……)。
 
 やっぱ映画は興行。一般人に"脳天気に"うんと楽しんでもらわないと……