神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「特撮」はト・ク・サ・ツ!

 CATVで『この子の七つのお祝いに』が放映されていた。本作はかの増村保造監督の遺作であり、且つ角川春樹事務所が“脂が載りきった”時期に制作されたサスペンススリラーだ。学生時代、TBS系の「月曜ロードショー」枠で本作を初めて観たが、「かんな棒」という凶器を使っての殺戮のスプラッターさや、ルポライター・母田役の杉浦直樹がベッドの白いシーツの上で血まみれ(それこそ血の海に沈むかの如く!)の死体で横たわっている画のえげつなさも相まって、かなり強烈に記憶に残っている映画だった。今観ると80年代独特の雰囲気で、いかにもフィルムの映画って感じが何だか嬉しくなってくる(;^_^A

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 また、同じく角川春樹がプロデュースに回って(制作は東映)、西田敏行金田一耕助に配した『悪魔が来たりて笛を吹く』も同じく放映されていたが、こちらも当時の有名なTVスポットの予告編で語られる(しかも原作者・横溝正史御大自らによる主演・ナレーション!)「この恐ろしい物語だけは、映画にしたくはなかった」のフレーズも何とも懐かしい、これまた猟奇色溢れる上質のサスペンス映画だった。

 そんな訳でこの両作がCATVで流れるのは大変結構なことなんだけど、それが「チャンネルNECO」の「特撮大国日本」の枠だった、ってのがどうにも引っかかってしまった。この「特撮大国日本」は、それまでも『フランケンシュタイン対地底怪獣』『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』連続放映の“東宝フランケンまつり”や、『恐竜怪鳥の伝説』『極底探険船ポーラーボーラ』の“ありえない恐竜まつり”、そして『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』『宇宙大怪獣ギララ』『大巨獣ガッパ』の一挙放映という、あたかも「昭和の夏休み午前中のラインナップ」のような“非東宝怪獣映画特集"等々の、魅力的なチョイス放映を続けてきてくれた枠である。それが今回「原点回帰」と称して上記2作品のラインナップを4月にぶつけてきた。でもこれって、どう考えても「特撮」ではない。これじゃ「ヒロインアクションムービー王国」と称して『肉体の門』『陽暉楼』(「女は争ってこそ花 負けて堕ちれば泥」のキャッチコピーで有名)の2本放映をするようなものであり、「看板に偽りあり」とはこのことである。

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 やはり「特撮」と銘打ってるんだから、仮にSF特撮モノのネタが切れたとしても、せめて『太平洋奇跡の作戦キスカ』とか『日本海海戦』『太平洋の嵐』『連合艦隊』などの「“特撮”戦争映画」でも流した方が“正直"だったと思う。ここら辺「チャンネルNECO」さんもよく考えて、今後のこの枠を活かしてもらいたいと思う。もし続けてもらえるんならばだけど……

 例えば、『超少女REIKO』ならばOKで『Vマドンナ大戦争』ならNGぐらいの線引きはしてほしいな(尤も『Vマドンナ』は“超”観たいけど……(;^_^A