『女子ーズ』は望まれるべきヒロインアクションムービーか?
いよいよ公開を再来月に控えた『女子ーズ』! 桐谷美玲や有村架純といった、今をときめく“旬”な(そして個人的にはかなりご贔屓の)若手“美形”女優に、顔出しかぶり物のヒロイン戦闘服姿で暴れさせるという、“あり得ない”今年期待の“ヒロインアクションムービー”だ
上のポスターやキャッチコピーを見るにつけ、まともな“ヒロインアクション”というよりも、コメディー的要素に満ちた娯楽作品になりそうだ。
私もこの種の“ヒロイン活劇”がコメディー的要素を持つことは大歓迎だ。敬愛して止まない“80年代東映系ヒロインアクション”も、一連の『スケバン刑事』シリーズといい、『少女コマンドーいづみ』といい、『セーラー服反逆同盟』といい、『こんな学園みたことない!』といい、どれも「大真面目なるが故のギャグ」に満ちた作品群だった。
しかしながら、上記の作品は、皆最初からギャグを目指したわけでなく、“勧善懲悪”“予定調和”を極限まで徹底したために、却って“荒唐無稽なばかばかしさ”に溢れる作品になっただけで、観る我々も、主人公の活躍に手に汗握りながら、それでいて随所にちりばめられた“お約束”に大笑いしてみる……そんな作品とファンとの間の“暗黙の了解”があったはずである。
翻って、件の『女子ーズ』だが、果たして作り手にそんなファンと同じ目線での作品作りをしているかどうか、いささか不安である。作り手が“上から目線”で、往年の“ヒロインアクション”ファンをあざ笑うかのような、元も子もないギャグのオンパレードで、結果“ヒロインアクションムービー”を“冒涜”する作品に仕上げてはいないか、そんな点がとっても心配である。