神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「来訪者を守り抜け!」

 今日は昨晩チャンネルNECOで放映された『戦え!マイティジャック』第16話「来訪者を守り抜け!」を、録画したHDD観賞。数多の『戦え!~』エピソードの中でも、実に切ない物語だった。
 
 MJの今井隊員(「電人ザボーガー」の“大門豊”こと山口暁!)が、不時着した宇宙人・モノロン星人と交流し、地球侵略の意図のない彼らを無事母星に帰還させるべく奔走する異色作である。途中、星人のペットであったバッキー(オリジナル「ウルトラセブン」のキャラとして制作された猿人のぬいぐるみを流用)の“田舎街破壊”という緩いスペクタクルもあるが、“いい話”として『戦え!~』史上に残る名作である。
 
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どう観ても「ウルトラセブン」のゴース星人にしか思えない「モノロン星人」
 
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件の“オリジナル”「ウルトラセブン」のキャラとして作られたぬいぐるみが、まさかの出演!
 
 ところで本作は、宇宙人と人間との心温まる交流とは裏腹に、「外宇宙からきた輩は全て抹殺せよ!」とばかり、自衛隊どころではなく「日本軍」といっていい輩が登場し、ことごとく今井隊員の行動を妨害する。そしてラスト、本来ならば心暖まるエピソードで終わるはずの本作を、脱出のお礼にモノロン星人が今井隊員に送った鳩(のような生物)を、星人帰還後今井隊員の制止を振り切って、「日本軍」が無慈悲に一斉掃射で殺してしまう、という、全く救いのない結末が用意されていた。
 
 実は本作を、初放映時に観た記憶はなく、今を遡ること22年前、福島県郡山市で結婚をする親友のために初めて福島に行った際、郡山市に隣接する“円谷英二””の故郷須賀川市まで足を運び、須賀川市博物館の「円谷英二コーナー」で自由に観賞できる円谷プロの作品として観賞したのが初めてだった。その時、すっかりダークな気持ちで博物館を後にした記憶がある。
 
 今日の観賞は、まさにその時以来となってしまったわけだが、なかなか静視するに堪えないラストながら、最近右傾化に進み、隣国を驚異の対処にしか視られない政治・風潮を感じるにつけ、本作や“帰ってきたウルトラマン”の「怪獣使いと少年」といった物語を再見する必要があるのではないか、と思った。
 
 ちなみに本作を演出した監督・東條 昭平は、件の「怪獣使いと少年」も演出している剛の者だ。昨今の、差別用語とは名ばかりの、圧力団体への配慮で“言葉狩り”にお茶を濁る昨今のテレビマンは、彼らの爪の垢を煎じて飲むべし!