神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

“バーバラ・カレラ”の島

 “映画のヒロイン”といっても、正直ラクエル・ウェルチジェーン・フォンダ(『バーバレラ』『キャットバルー』)といった代は、当時もTVの“○○洋画劇場でしかお目にかかれない“往年のヒロイン”だった。80年代、というよりも「昭和50年代」に多感な時期を迎えた私にとって、リアルなヒロインは、キャロライン・マンローやタニヤ・ロバーツ、「バック」と「カレラ」の“ダブル”バーバラといった面々である。今日はその中でバーバラ・カレラについて。
 
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 アンジーのエキゾチックさを1000倍濃くしたような容姿にグラマラスな肢体(←これ“昭和ハリウッドヒロイン”の必須条件ですね)。正直美形かといえば賛否分かれるところだろうが、官能的か? と問われれば勿論“イエス”な女優である
 
 wikiにおける彼女の評では、『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の出演が一番のキャリアらしいが、私にとっては『ドクターモローの島』『エンブリヨ』といった作品の方がより思い入れがある。
 
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この文庫本、持ってたなぁ……カバーが目当てで買った角川文庫は、
これと「不連続殺人事件」(坂口安吾)だけだったよなぁ……
 
 この作品では、孤島で動物を人間に変える(そして人間を血清で動物に変化させる)研究に没頭するマッドサイエンティスト・モロー博士の養女役を務め、「もしかしたらこの娘は元々動物だったのではないか?」と思わせぶりな展開の中、船の難破で打ち上げられた若い船員と“お約束”のごとく恋仲になり、実験台となって動物に変化させられそうになった船員と島を脱出、彼のためにと必死に体内の血を吸い取った挙げ句、彼を救うものの自分が“動物化”してしまう、という役所を演じていた。エキゾチックさ満載の彼女にとってはまさに“当たり役だった、といえる。
 
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 そして『エンブリヨ』。実はこのタイトル、訳すとモロ「胎児」だったんだね
 
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  このポスターのイメージは未だに秀逸だと思う。“へその緒のついた成人女性”という構図が。
 
 クローンではないが、ある薬によって生まれたての胎児の成長が促進され、1日で1年分、よって20日で20歳に成長するという、まさに夢のような物語。その子が女性で、しかもバーバラ・カレラなんだからたまらない! “お約束”のごとく、博士とバーバラは恋に堕ちてしまう。でも当然ながら成長が早ければ老いるのも早い。恋に目覚め、“老い”が怖くなったバーバラは、研究(IQは凄い、という設定)の結果、老いを停めるには胎児の脳下垂体の成分が有効と突き止め、それ以後“妊婦キラー”として猟奇的な行動に出る。ここら辺から急にホラー色が強くなり、結局、その企みは阻止され、彼女は哀れ老婆の姿となって命果てる、という結末を迎える。確かにB(C)級SFホラーだろうが、このテーマ、今上手くリメイク出来たら結構面白い映画になるんじゃないかな、って思ったりする。アイディアは光ってると思うし……
 
 この他にも『世界崩壊の序曲』など、SFパニック映画にせっせと出演していて、まさに“Bクイーン”だったりするのだが、彼女のことに思いを馳せると、何故だが“昭和50年代”の青春期が想い出されて、なんだか切なくなったよ