“素材ナンバー1”のヒロイン映画
レザースーツこそ、古今東西のヒロイン戦闘服として広く認知されていると思うが、その殆どが欧米の作品に集中している。さすが狩猟民族としての歴史が古い白人の方が、皮の扱いに慣れているということだろうか
ところが、この日本でもボンデージファッションに身を包んだ“黒のヒロイン”はいくつも存在する。そんな中で、素材としては完璧なのに……なヒロインに言及したい。
1997年公開の作品。主人公の三姉妹を務めるのは、長女から順に 藤原紀香・ 稲森いずみ・ 内田有紀という、当時を代表するキュートな女優陣。皆まさに“脂ののりきった”頃の出演だった。しかも着用するのは、黒光りするボンデージスーツ。それもオリジナルのレオタードを敢えて替えてまでの出で立ちだ。
作品のタイトルは『CAT'S EYE キャッツ・アイ』。ご存じのように三姉妹の義賊が活躍する、設定の上でも魅力的な、しかもアニメとして大ヒットした素材だ。このキャスト、このドラマでおもしろくないはずがない。しかしこの素材を料理するのが林海象としって、当時一抹の不安を感じたものだった。『ZIPANG』で我々を劇場で眠りに誘ってくれた林監督に、このボンデージ3人娘の、邪な男どもの願望を成就させるような下世話な通俗映画を期待できるのか……その不安は、このスチールで図らずも結実した。
耳はだめだろ! 耳は!
結局私はこの作品を見ないままでいるので、内容に言及することはできない。ただ、このボンデージ3人娘で、もっと下世話な『CAT'S EYE キャッツ・アイ』を是非観てみたいものだ、生きているウチに