神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

“東宝スペースヒロイン”の先駆け

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 このエキゾチックな容貌の女性。名は安西郷子。新東宝から東宝へ、1950年代を駆け抜けた美人女優である。60年に結婚引退したため、映画界での実働は10年足らずだったが、その間『力道山の鋼鉄巨人』(54年・新東宝)、『一寸法師』(55年・新東宝)、『吸血蛾』(56年・東宝)といった、個人的には実に食指が動く作品にも出演している
 
 ところで、この女優のことを今回取り上げたのは、彼女が『宇宙大戦争』の主演をつとめているからである。彼女のフィルモグラフィーを見ても、SFらしい(そしてヒロイン然としている)のは本作のみだが、これはある点でとても重要だ。
 
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 この『宇宙大戦争』は東宝特撮映画の中で、初めて人類が宇宙空間に飛び出した記念すべき映画だ。その中で、安西郷子は宇宙船スピップ号の“紅一点”乗組員役で出演する。つまり、邦画に於いて、おそらく初めて“宇宙空間に飛び出した女性”なのである。
 
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 河内桃子白川由美水野久美浜美枝若林映子、藤山陽子(オリジナル神宮司真琴!)といった錚々たる東宝特撮ヒロイン”陣の中で、安西郷子がわずか1作品の出演ながら“東宝スペースヒロインの先駆け”の栄冠に輝いたことは興味深い。
 
 もっとも、60年に三橋達也との結婚引退がなければ、この容貌だけに“東宝特撮ヒロイン”の一役を担う活躍をしたかもしれない。もしそうなったならば、その後の“特撮ヒロイン”の系譜はどのようになっていったのだろう。興味は尽きない。