神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

愛すべきアンチヒロイン

 浜美枝といえば、やはりまず思いつくのが『007は2度死ぬ』の出演だろう。若林映子(そしてちょっとだけ“松岡きっこ”)と共に、日本人初のボンドガールを演じたことが、彼女の女優歴に燦然と輝いているのは誰もが認める所だろう。もっとも、本来は劇中若林映子が演じたエージェント役に決まっていたものの、英語が上手く使いこなせず、結局入れ替わりで、ボンドの“日本人妻”役になってしまった、という笑えないエピソードもあったが
 
 さて、この浜・若林コンビが起用された背景に、二人が競演した『キングコング対ゴジラ』を007のスタッフが見ていたことがあったのは有名な話だが、そう考えると、東宝特撮と007との意外な接点が垣間見られて面白い。まあ「ゴジラ」は世界に認められたキャラクターだけど。
 
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 ところで、“キンゴジ”で“東宝特撮ヒロイン”の仲間入りをした浜美枝だが、彼女の魅力が輝いていたのは、むしろ『キングコングの逆襲』における“マダム・ピラニア”だろう。核兵器を遙かに凌ぐ破壊兵器の材料となる“エレメントX”を手に入れるべく、悪の科学者ドクター・フー天本英世)とともに暗躍する、某国のエージェント(スパイ?)役は、ややバタ臭い童顔と相まって、独特の雰囲気を醸し出していた。
 
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 ただ、初見の記憶から、色香で善悪問わず男たちをたぶらかす“冷酷一辺倒”のキャラと勝手に思いこんでいたが、最近になって再見すると、実は情にもろく、最後は自分の身を挺してネルソン(ローズ・リーズン)らを助けたりするなど、イメージとかけ離れていたのは意外だった。まあ、それでますますこのキャラクターが魅力的に感じられるようになった
 
 東宝特撮以外にも“クレージー”映画で何度もマドンナ(植木等の相手役)をつとめるなど、私にとっても“身近な”女優だったが、特撮映画は“キンゴジ”“キン逆"の2本のみ。まさに稀代の“キングコング女優”と言えるだろう(“ショーン”ボンドもゴリッぽいし)。
 
 ちなみに彼女、女優にスカウトされる前は“バスガール”だっだそうだ。この点も大いに“ソソる”エピソードだ