神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

大林宣彦監督の遺志を継ぐもの

 丁度昨年の4月10日、大林宣彦監督逝去の知らせを聞いた。それからもう1年も経過したのかって思いだ。

 監督が亡くなる5ヶ月前の2019年11月に、監督をゲストに交えて、広島の地で先行上映された『海辺の映画館-キネマの玉手箱』も、新型コロナ禍で一般上映が遅れたものの、今ではDVDも販売され、CSの日本映画専門チャンネルでも放映された。あの日、NTTクレドホールに集結した映画ファン、邦画ファン、そして大林宣彦ファンを熱狂させた『キネマの玉手箱』も、今や多くの人の目に触れ、そして多くの驚嘆と感動を導き出したことだろう。

 

 

 世の中が「右傾化」と「ヘイト」に渦巻く昨今において、監督の映画に込めたメッセージはとても重要だ。暗黒の時代から目を背けるかの如く、メッセージ性のない安直な映画が世に送り出されている今こそ、監督の思いを受け止めた映画創りを推進してくれる映画作家に期待したい。

 

 それこそ、大林監督を敬愛し、CSのトークドキュメンタリーで競演した岩井俊二監督辺りが、本来その筆頭に名乗りを上げてもおかしくないくらいだ。彼の作風を心酔する者が「予定調和のエンターティメント」と歯牙にもかけない、往年の娯楽映画監督・鈴木則文氏の方が、よっぽどB級娯楽の中に反権力のメッセージを込めていたよ。