神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

尾道とマドンナと映画と

 ここ数年は、家族のリクエストで「こもん」のワッフル目当てで尾道に向かうんだけれど、何といっても尾道は、私にとっての“聖地”である。正直なところ一人旅で、且つ時間が許せば、じっくりロケ地巡り(勿論初代の“尾道三部作”の)をしてみたいって、いつも思っている。

 

 そんなわけで、時として「福本渡船」の桟橋に行ったり、向島にわたってミカン畑に囲まれた山道まで上がったり、昨年等は「西願寺」までギリギリ細い路地を車で通っていったりと、その日のノリや思い付きで、家族を連れて廻ったりすることもある。まあ、上記のロケ地はみな『さびしんぼう』のそれなんだけどね(;^_^A

 

 

 

 

 

 

 

 その『さびしんぼう』といえば、何といっても富田靖子のことを忘れてはならない。富田靖子が齢を重ねたら藤田弓子になるという、説得力抜群の設定だったけど、実際、当時の藤田弓子の年齢をはるかに凌駕した現在の富田靖子は、結局齢を重ねても“富田靖子”だったし、『さびしんぼう』のラストに登場する「百合子さんそっくりの」老けメイクを施した富田靖子でもなく、まさに年相応の“オリジナル”ぶりを発揮している……なんて書いている自分も訳が分からなくなる内容だヾ(- -;)

 

 いくら年を重ねても、彼女は「橘百合子」であり「田中タツ子」であり、そんなキャラクターを全てひっくるめての、大林宣彦監督のいうところの“さびしんぼう”であり、我が永遠のミュース・マドンナであることに変わりはない。大林監督の遺作『海辺の映画館~キネマの玉手箱~』のパンフレットには、富田靖子と『ふたり』の石田ひかりが大林監督に作品について語り合うという素晴らしすぎるインタビュー記事があって、彼女の『さびしんぼう』に関する思いが赤裸々と語られていて、実に興味深かった。

 

 

 この写真は、『さびしんぼう』公開時に手に入れたポスターを、カメラで複写したものだ。オリジナルのポスターの方は大分くたびれてしまったんだけど、先日部屋を片付けた際に見つけたこの写真の方は、そうなる前に撮ったので、未だきれいな頃だったし、これを見ると当時の記憶が鮮明に甦ってくる。今年35周年を迎える映画制作団体イチヱンポッポフィルム(これも本作に登場する福本渡船の地元愛称だ)を立ち上げる1年も前のことなんだけど(;^_^A

 

 こういう時に、まだ純粋に映画に取り組んでいた自分の気持ちに戻れるような気がするよ(;^_^A