神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

天才“勝新”と台本の在り方

 先日、時代劇専門チャンネルで、『座頭市』(1989年)が放映された。しかも「勝新太郎ディレクターズカット」版且つ4Kデジタルリマスター版、という触れ込みだった。広島の「みろくの里」でロケされたことでも印象深い、勝新にとって最後の「座頭市」は、その激し過ぎる殺陣や、荒唐無稽さ、そしてクライマックスの爽快感も相まって、大好きな作品だ。だから当然の如く録画させて貰った(;^_^A

 

 

 もっとも、今まで録画したものも、好きなシーンをピックアップして、そればかり“摘まんで”観ていたものだから、どこがオリジナルとディレクターズカットの違いか判らなかったのがご愛敬だが、やはりしっかり楽しめた。

 

 ところで本作は、台本らしい台本が存在せず、ストーリーはほとんど勝新の頭の中にしかなく、本作で初めて『座頭市』の現場に参加したスタッフ・キャストは大いに戸惑ったらしい。しかし、それで物語が思い付きの羅列で破綻しているかといえば、決してそんなことはなく、意外にオーソドックスな展開で、“無敵のハンディキャップ”こと市を巡る、宿場町のやくざである五右衛門(奥村雄大)と赤兵衛(内田裕也)との駆け引きや、あたかも『用心棒』における桑畑三十郎(三船敏郎)のごとき活躍で、双方のやくざ組織の共倒れを狙い、鮮やかな居合抜きで皆殺しにする市のクライマックスの大立ち回りに至るまで、エンターティンメントにふさわしい外連味たっぷりの見事な構成がなされている。まさに勝新の天才ぶりを遺憾なく発揮した作品だといえる。市の圧倒的な力で悪党が無機質的に惨殺されるところは、北野武版『座頭市』にも踏襲されていて、それが北野版『座頭市』を魅力的な作品に仕上げている。

 

 私は映画制作を行う時、企画書から始まって、登場人物詳細、箱書きを経て、きちんとした台本を仕上げることを旨としている。勿論、映画の作り方・撮り方は各人によって千差万別で、別に定義があるわけではないのだが、自分の場合、流石に勝新のような“天才”ではないので(;^_^A、オーソドックスとか「型にはまりすぎている」とか誹りを受けようとも、この“台本至上主義”を貫いている(;^_^A

 

 そんなわけで、2019年1月に撮影した『THE 争奪戦っ!』以来、2年ぶりに本格的に台本を書き始めて、最近ようやく書き終えることが出来た。内容は久しぶりの“非ヒロインアクション”のファンタジー!!(;^_^A 果たして何の目的で書いたかは、またいずれ報告したいと思っている(;^_^A それにしても、ここん所ブログ以外に文章を書いてこなかったので、久しぶり「自分は映画人だったよな」って実感できたのはよかったかな(;^_^A

 

 ここ数年、「そろそろファンタジー作品も」なんて公言してきたから、ようやく“公約”を果たした思いだヾ(- -;)ヾ(- -;)  もっとも、これで改めて最近のフィールドである“ヒロインアクション”の企画も考えられるから、今度はこっちの方で(;^_^A

 

 実際に撮るかどうかは取り合えず先延ばしにするにしても、当団体イチヱンポッポフィルム結成35周年の今年、企画だけでどんどん準備していきたいと思っている(^^)