神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『スケバン刑事』に感じる“フィルム映像”への限りなき憧憬

 日本映画専門チャンネル「プレイバック!アイドル黄金時代~80年代アイドル映画Collection~」。「80年代」「アイドル映画」という我が感性に“弩ストレート”な企画で、毎月楽しみにしていた。なんといっても最初の月から『スケバン刑事』だったもの!(;^_^A  そんな「プレイバック!アイドル黄金時代」も今年に入って「PART2」が始まり、しかも菊池桃子の『パンツの穴』やセイントフォーの『ザ・オーディション』、そしてパンジーの『夏の秘密』といった、私にとっては待望の作品群が並ぶ。それこそ、後は『パンツの穴花柄畑でインプット』『クララ白書』『生徒諸君』『彼のオートバイ彼女の島』辺りが放映されたらもう思い残すことはないだろうな(;^_^A

 

 さて、この「PART2」の第一弾が『スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲』。今までDVDを持っていながら何故か未見のままだった作品で、今回が初観賞の機会となった。もっとも、まだ冒頭のシーンを観ただけなんだけど、その冒頭に初代と2代目の“麻宮サキ”が登場する。勿論イメージカットの過ぎないんだけれど、何か“スケバン刑事サーガ”を感じさせるカットだった。

 

 

 

 

 

 

 

 ところで、そのシーンを観て感じたのは”フィルムの質感”だった。過去のライブフィルムが、それも16ミリから35ミリにブローアップされたせいか、フィルム独特の粗さが逆にフィルム独特の質感をいやがうえにも感じさせてくれて、観ていてワクワクしてしまった。思えば、この“スケバン刑事”シリーズをはじめとする“昭和60年代ヒロインアクションドラマ”は、皆フィルムで撮影されていた。そんな中、『セーラー服反逆同盟』『こんな学園みたことない!』『禁じられたマリコ』といった作品と比べても、『スケバン刑事』三部作や『少女コマンドーIZUMI』といった東映制作の作品群の方が、フィルムの質感が強かったような気がする。最近のクリアなデジタル映像になれた人から見れば雑味に感じるかもしれないので、あくまで個人の好みに委ねなければならないんだろうけど、あのザラリとしたフィルムの質感は「これは虚構の世界なんだ」って感じさせるのに十分な“アイテム”だといえる。

 

 まだ8ミリフィルムで映画を撮っていた頃は、そのザラついたフィルムの質感によって、いやが上にも映画の“虚構性”か醸し出されていたので、それ故、撮影媒体を8ミリからデジタルフィルムに移行する際は、自分の中でかなりの抵抗があった。これじゃ、クリア過ぎて、映画のつもりが「ホームビデオごっこ」になってしまうのではないか、って心配したのである。卑近な例を挙げると、フィルム(16ミリ)で撮られていた時代劇がデジタルビデオになった途端に“アラ”が目立ち始めたように感じた感覚に似ている。まあ、何とかその部分は自分なりにクリアできて、近年の“広島発ヒロインアクションムービー”もすべてデジタルで制作している。

 

 ただそんな過程があったがために、今でのフィルムの質感に憧れるし、実際フィルムの方が後発のビデオ映像に比べて遙かに劣化が少ない。80年代後半からフィルムに取って代わって制作されたビデオ映像のドラマが、現在再放送で観るといかに劣化しているかをみれは一目瞭然だ。幸い、現行のデジタル映像ではそんな劣化はないみたいだけど………。

 

 “昭和60年代ヒロインアクションドラマ”に対する憧憬は、そのまま「フィルムドラマ」に対する郷愁も持ち合させているのかもしれない。