神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

日活無国籍アクションの流れもくむ『女子高生戦士☆英あいり』

 先週、“飛鳥五郎の命日”にかこつけて、『快傑ズバット』と日活「渡り鳥」シリーズとの親和性について言及したが、実は現時点では拙作最後の長編となっている『女子高生戦士☆英あいり』も、その「渡り鳥」シリーズのフォーマットを拝借している。

 

 

 主人公の英あいり(ILOVEU@あいり)は、現役女子高生にして多くのファンに支持されるアイドルとしても活動している。そんな彼女が、イベントの些細な出来事からとあるツンデレアイドル・因幡珠美(小竹彩花)に逆恨みされ、珠美に泣きつかれたタニマチの鴨池社長(須﨑幸彦)は、入魂の間柄である大蔵組のチンピラたちを使って、あいりのコンサートを再三にわたって妨害する。そんなあいりの窮地を救ったのが、彼女の熱狂的ファンの親友である滝伸次 (田所敏弘)。元警視庁SAT教官だった彼の指導によって戦闘能力を身につけたあいりは、見事チンピラたちを一蹴し、珠美や鴨池の野望を粉砕する。

 

 

 こちらは2018年公開時の予告編。現時点では再上映の予定はありませんm(_ _)m

 

 「渡り鳥」シリーズでは、風来坊の主人公・小林旭がぶらりと立ち寄る街には、必ず浅丘ルリ子がいて、彼女の家は決まって何かしらの利権がらみで、土地悪徳やくざの嫌がらせを受けている。そんなルリ子の窮地をマイトガイが救って、悪を蹴散らし大団円という、何とも分かり易くて痛快な物語がフォーマットになっていた。『女子高生戦士☆英あいり』でも、鴨池社長の命を受けたチンピラたちが執拗にあいりのコンサートをぶち壊し、ファンを蹴散らし、彼女を追い詰める。嫌がらせの目的があいりに恥をかかせる点にあることとか、実際に悪党を蹴散らすのがあいり自身であるなど、ヒロインアクション故「渡り鳥」シリーズと異なるところもあるが、彼女にアクションの手ほどきをする「滝伸次」の名自体が、「渡り鳥」におけるマイトガイの役名と一緒であるなど、明らかに日活無国籍アクションを意識したつくりになっている。

 

 登場人物名も、あいり側のキャラクターに関しては、「滝伸次」をはじめ男性は皆日活アクションにおけるマイトガイの役名をそのまま拝借しているし、女性は「日活パールライン」の吉永小百合・笹森玲子・芦川いづみ浅丘ルリ子をモジった役名にしている。一方ヒール側は、鴨池安兵衛・因幡珠美・可部・六階・須田といった、未だ究明されていない「森友学園」事件等で暗躍した輩を、これもモジって命名した。その点は、敬愛する故・鈴木則文監督のポリシーにオマージュを捧げる、ブラックな“裏設定”にしたつもりだ。

 

 ただし、物語は予定調和・単純明快にして勧善懲悪。ノンストレスで楽しめる作品に仕上がっている。新型コロナ禍による上映会自粛の流れの中で、なかなか上映の機会に恵まれない作品ではあるが、一応個人視聴用のDVD・ブルーレイは準備している。もし興味を抱いていただけたならば、下に当映画制作団体イチヱンポッポフィルムのメールアドレスを記しますので、そちらの方へ問い合わせのほどよろしくお願いいたします。

 

 

 

『女子高生戦士☆英あいり』公式サイトはこちら

https://ichienpoppo.wixsite.com/hanabusaairi