神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『スケバン刑事』に憧れた1987年に密かに撮られたもう一つの“スケバン刑事”

 先日「スケバン刑事」と「フィルム映像」に関わることについてしたためたが、それにまつわるネタをもう一つ。

 

 ここ最近の部屋整理の過程で、うんと以前に使っていたDVテープが大量に見つかった。見れば10数年前に撮影・録画したものもある。しかしながら、最近はすっかりミラーレス一眼レフを使って、PC自体もSDカードしか対応していないから、DVテープ対応デジタルビデオカメラの小さな画面でしか確認ができない。

 

 そこで、今はネットにつながなくなって久しい「WindowsXP」のPCにキャプチャーボードがあることを思い出し、室内のコード類を片っ端から漁って、ようやく「IEEE1394コード」を発見。何とかPCとデジタルビデオカメラを繋いで、何とかDVの映像をHDDにキャプチャーすることが可能になった。

 

 そうやって観賞可能になったDVテープの中で、まず手を付けたのが、1987年に8ミリフィルムで撮影し、編集は済ませたものの、アフレコしないまま今日まで“未完の作品”となっている『スケバン刑事広島版 狙われた生徒会長』を“簡易テレシネ”したものだった。“簡易テレシネ”とは業者に出さずに、自前の映写機で上映しているものをデジタルビデオカメラで直接撮影する、文字通りの“簡易”なテレシネだ。でもキャプチャー後観直してみると、思ったよりはクリアな映像になっていて、「これは8ミリフィルムのテレシネだから」って大目に見てもらえたら、これを素材に何とか作品として作れなくもない状態だった。

 

 ちなみの、本作の物語は以下の通り。

 

 私立美鈴が丘女子高校で生徒会長・桜井真理亜(堀川ひとみ)が生徒会費を横領した現場を宿直の警備員に目撃され、退学処分を受ける。しかしこの事件に不信感を抱いた“当局”は、配下の神恭一郎に命じて、“スケバン刑事”こと麻宮サキ(山本恵巳子)を転学と称して私立美鈴が丘女子高校へ潜入させる。

 

この子が本作における「スケバン刑事」こと麻宮サキ(山本恵巳子)

 

神恭一郎?(;^_^A

 

 サキは早速内偵を開始し、真理亜の同級生だった成瀬小夜子(菅真由美)から、あれだけ学校に献身的だった真理亜の横領が未だ信じられないことと、彼女ら2年B組の担任である村松先生(岩本桂)が今回の一件で一番心を痛めていることなどを聞き出す。翌日サキは、学校の外から校舎を愛おしそうに見つめる真理亜を見つけ、声をかける。最初は頑なな態度をとる真理亜だったが、先の口から村松の名が出ると敏感に反応し、次第にサキと打ち解けて行く。真理亜の弁によると、横領があったとされるあの日は、かねてから生徒会費の不正が行われているとの噂を確認するため、夜まで残って地帳簿を調査して、ようやくその証拠をつかんだものの、帰宅直前に何者かに殴打されて気絶、しかもあろうことか気が付いたときには生徒会の封筒に包まれた現金を持たされていたといのだ。その現金が決め手となって彼女が横領の犯人であると決めつけられ、村松の必死の弁明も空しく、真理亜は退学処分を受けることになってしまった。しかし彼女は、殴られて記憶を失う直前に、逃走中の犯人が右手にしていた軍手と手にしたスパナをしっかりと記憶していた。

 

悲劇の生徒会長・桜井真理亜(堀川ひとみ)

 

 真犯人は学校内部の人間であるとにらんだサキは、学校に潜入する。そこで彼女は行方不明にあったはずの、横領の証拠がある生徒会帳簿を目撃する。時同じくして、真理亜は学校関係者から呼び出しを受けて、とある雑居ビルの屋上に向かう……

 

 果たしてサキは真犯人を捕らえることが出来るのか? サキと真理亜の運命やいかに……?!

 

 本作を撮影した1987年は、昭和60年代の真っただ中で、まだ『スケバン刑事』シリーズがチアルタイムで制作・放映されていた。しかも8ミリとはいえフィルムによる制作で。多分に当時の雰囲気を色濃く受け継いでいた。またちょっとドラマや映画に興味を持つにとっては男女を問わず『スケバン刑事』には興味を持っていて、この映画も、私の個人的な趣味の押し付けというよりも、みんなでワイワイ話しているうちに、自然と「自分たちで『スケバン刑事》を撮ろう」って機運になっていったのを覚えている。主演の子も自分から『スケバン刑事』約やりたい! っていってたし(;^_^A そこら辺が昨今の“広島発ヒロインアクションムービー”とは異なる現場だったといえる。まだまだ『スケバン刑事』がトレンドとして、皆の中にあった頃だった。

 

 

 

 だから、今もって見れば、演出なんて稚拙の極みなんだけどヾ(- -;)、どこか当時でしかなしえなかった“勢い”というのもが感じられる。主演の子が合気道をしていたとはいうものの、殺陣も行き当たりばったりというか、現場のノリでつけたような気がする。一応ヨーヨーは飛んでくるし、きちんと鎖は犯人の手に絡みつくし……(;^_^A

 

 

 

 果たしてこの作品が34年ぶりに日の目を見るかどうか、まだまだ道のりは険しいだろうけど、もし完成すれば、ヒロインアクションドラマが百花繚乱の如く制作された“昭和60年代”の当時の雰囲気を垣間見させてくれる“装置”になるかもしれない(;^_^A

 

 ちなみに、未完の本作の内容を換骨奪胎して撮ったのが、2008年制作の『天使諜報★神宮寺真琴~狙われた生徒会長~』である(;^_^A ご覧になった方はご承知だろうが、物語の骨子はほぼ『スケバン刑事広島版 狙われた生徒会長』のまんまであるヾ(- -;)ヾ(- -;)