ピープロ“換骨奪胎”の意地
先日の日記で『風雲ライオン丸』に言及したが、この作品を制作配給したのはご存知「ピープロ」! 70年代、特撮界では円谷英二率いる「円谷プロ」や東映の矢島信夫率いる「特撮研究所」全盛期の中、敢えて闘いを挑んだ好漢特撮プロだ(^^)
このピープロには、悲願といってもいい企画『豹(ジャガー)マン』ってのがあって、都合三度も制作放映が図られたが(「特に再度は日仏合作という形で)、不幸にして結局パイロット版制作のみで頓挫の憂き目にあった作品だ。
しかしこの『豹(ジャガー)マン』の企画及び設定は、“換骨奪胎”という形で、後のピープロ作品に影響を与えている。例えば、『豹マン』」の主人公が等身大から巨大化する設定は「スペクトルマン」に、獣のキャラという設定は「ライオン丸」や「宇宙猿人ゴリ」「鉄人タイガーセブン」に、パイロット版に登場した怪獣は『宇宙猿人ゴリ』の劇中に再登場……といった次第だ。
実はこんなピープロの心意気は、実に共感するところであって、私も、未完の企画『スケバン刑事広島編 狙われた生徒会長』『シンデレラの懸賞金』といった、頓挫した単発の企画を、当団体制作の『天使諜報★神宮寺真琴』シリーズで再現したり、何度も企画が立ち上がりながら頓挫した『学園特捜☆伍代聖羅』をそれでもキャストや企画を一新して意地で撮ったりと、“ピープロ魂”に共感する作り方を、今まで行ってきた。
大手・日活だって、裕次郎の為に拵えた企画『激流に生きる男』を、裕次郎のスキー骨折による降板でもトニーこと赤木圭一郎主演に差し替えて強引にクランクインし、しかも撮影中にトニーがゴーカート事故で命を失っても、高橋英樹を急遽主役に抜擢して、なんとか撮り終えた、そんなエピソードを思い出してしまったよ(;^_^A