神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『メグ♡ライオン』はインディーズ精神に満ちた商業映画だ!

 これはmixiのマイミクさんからの情報で知った話。この9月4日にかの河崎実監督の最新作『メグ♡ライオン』が公開されたのだそうだ。河崎監督といえば、近頃『三大怪獣グルメ』なる作品が、広島ではイオンシネマ西風新都で公開されたばかりだ。あいにくこの作品は例の如く観そびれてしまったけれど、早くも次回作が公開されるとは……

 

 

 で、この作品で特筆すべき点は、本作が日本橋三越本店の福袋企画「あなたをSFコメディ映画の主役に!」が元になっていることと、実際この冗談のような福袋を、税込500万円で50代の一般女性が購入し、そのまま本作の主役を務めることになったという、まさに商業主義とインディーズムービーのノリが融合したような“おバカでクソ真面目”な企画作品だ。

 

 福袋購入によって出資者兼主演女優となった長谷摩美は、そもそもとあるマイナーなアイドルユニットのメンバーの子(女性)に何故か入れ込んでいて、今回の500万円も、元々はマンション資金に充てようとしたものの、どこかでその子のために使ってもいいと考えていたそうで、今回の福袋購入も本当はそのアイドルの子を主演させてあげようと考えての出資だったようだ。だが、当のアイドルが芸能界を引退していたこともあって出演を辞退、結局長谷摩美自身が主演の映画を撮ることになったのだそうだ。

 

 

 こんな、一歩間違えば詐欺まがいの展開を、こうやって本当に一本の映画に(しかも超低予算で)仕上げてしまうなんて……河崎監督の手腕にはいつも唸らさせられる(;^_^A 撮影自体も長谷嬢自身が過去演劇部に所属した経験があったそうで、しかも河崎監督の『地球防衛少女イコちゃん』のファンだったという意外な一面もあり、無事主役を務め上げたらしい。その演技力に関しては、共演した『ウルトラマンレオ』の真夏竜も太鼓判だったそうだ。

 

 物語は、50代の冴えないOL・獅戸めぐ(長谷)が、実は「銀河連邦100億個の星の王家、キングライオン星の王女」だったことを告げられることから始まる特撮ラブコメだそうで、彼女は使者・ジョナサンの口づけで美女(浅野杏奈)に変身したり、彼女の秘密をつけ狙うウルトラタイガー星人と戦ったりと、しっかり王道にして往年の特撮アクションの世界を踏襲している作品だ。監督自身は『快傑ライオン丸』の線を狙ったらしいが、むしろ猛獣の被り物をしたヒロインということで、『ライオン丸』のピープロがフランスとの合作で制作しようとして頓挫した『シルバージャガー』のリメイクともいっていい佇まいである。

 

 

 

 

 本当に実質450万円で有名どころも参加し、特撮・アクショもありの本作を制作したのならば、さぞかしピンク映画もかくやというくらいのローバジェットな現場だったろう。でもそんな心意気は素晴らしいと思う。

 

 願うらくは本作が少しでも利益を上げ、長谷さんに出資分の配当があってほしい。これだけの大英断をして劇中でも頑張っているのから、そのくらいの報いはあってもいいと思うね。

 

 それにしても、『メグ♡ライオン』という人を食ったようなタイトルといい、劇中『ターミネーター』を彷彿させるような全裸の男が登場したり、殺陣が『快傑ライオン丸』や『鉄人タイガーセブン』のノリだったりと、相変わらずの“河崎実節”が炸裂しているのは何とも嬉しい(;^_^A 是非広島でも公開してほしいものだ(^^)

 

三越・映画福袋購入『メグ♡ライオン』主演女性が語る「私が500万円出した真意」とは
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