神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

仙道敦子の『セーラー服反逆同盟』

 昨日より放映が始まったCSホームドラマチャンネルの『セーラー服反逆同盟』。観たよ! 観ましたよ!」

 

 

 今から34年前のオンエア時や、それから数年後の再放送では、いくつかのエピソードを除きあまりきちんと観た記憶がなかった。それも、70年代に百花繚乱の如く特撮ドラマが放送されていた時にその“飽和状態”からあまり食指が動かなかったのと同様、80年代にはある時期集中してヒロインアクションばかり流れていたので、つい見そびれてしまったものも多い。それ故、四半世紀以上を経て、こうやって往年のヒロインアクションドラマを再見できるのは、非常に貴重な機会だ。

 

 さて、DVDボックスも持っていない身ゆえ、本当に久々の観賞になったんだけれど、さしあたり2話まで観て、いろいろと発見することがあった。第一話「悪の巣、黒鳥学園!」では、仙道敦子演じる転校生の高坂ユミが、いきなりヘリコプターで登場するシーンには度肝を抜かれたし、ここではまだ「セーラー服反逆同盟」は結成されず、ユミと、のちに彼女と「反逆同盟」を組む弓削ルリ(山本理沙)・渋川ケイの在校生コンビが、深夜の学園の屋上でタイマン勝負を行うところでエンドを迎える。実際にあの“白いセーラー服”の「反逆同盟」が登場するのは第二話からだったのだ。それと、本作で(制作サイドとしては主役の)中山美穂の存在は、観るまですっかり忘れていたよヾ(- -;) そういえば、本作における中山美穂は全くの“客寄せパンダ”で、毎回バンクフィルムで反逆同盟のピンチに悪党めがけて薔薇の花を投げつける数秒ほどカットが用意されていたっけ。それだけのシーンでテロップは主役扱いだったんで、「これじゃ、実質的な主人公の仙道敦子が可哀そうだろう」って思ったもんだった。そんな過去を思い出してしまったよ。もっとも、まだ回が浅いせいか、この2話分では、中山美穂の出演シーンは比較的多かったよ。それにしても彼女の顔がやけに黒かったのは気になったけど……

 

 物語は、悪の巣窟・黒鳥学園に、一度は自分を殺そうとした母親を探し求めて福岡の超エリート校から転向したユミが、学園のすさんだ実状を憂いてルリ・ケイと共に学園浄化を目指した2年A組担任の牧野先生が、泥酔による事故に見せかけて学園の生徒会指導部生徒に殺害されたことから、彼女らと結託し、学園の不正に正義の鉄拳を以て立ち向かうという設定だった。彼女らが身にまとう白いセーラー服も、どぎついメイクも、反逆同盟が誰かを特定させないための苦肉の策なのだそうだ。二話以降、クライマックスには、かのお約束の、

 

「闇の中でのさばり続ける悪党ども!」(ルリ)
「てめえらのようなワルは許せねぇ!」(ケイ)
「天に代わって成敗する!」(ユミ)


の名口上と共に、怪しげな敵を、ロングスカートのセーラー服を持て余しながら精一杯キックを繰り出し、またそれぞれの武器を駆使して殲滅する。このお約束感覚が、往年のヒロインアクションファンにはたまらない。

 

 そういえば、第一話には、ユミの叔父の武闘家として、上京する彼女に武器(メリケンサックのような赤革プロテクター)を授けるのがキンキンこと愛川欽也、彼女を殺そうとし、しかも今や黒鳥学園の理事長夫人に収まっている実母が奈美悦子、理事長が南原宏治、学園の校長に藤岡重慶、教師役に竹中直人、安岡力也、といった錚々たる重厚なメンバーが脇を固める、何とも豪華なつくりになっている。そんな中でも仙道敦子の初々しさ、健気さは群を抜いていたな(;^_^A 彼女は『白蛇抄』の頃から気になっていた女優なだけに、よくヒロインアクションの世界に来てくれたものだと、当時狂喜乱舞したことを今更ながら思い出したよ。


 観た範囲では、まだ「反逆同盟」は結成されたばかりだし、これからも学園の巧妙な罠に彼女らが翻弄されるようなので、これ以降も目が離せないが、観ている間だけ気分は昭和60年代にタイムスリップしているようで何とも心地よい(;^_^A 本作のリピート放送はないみたいなんで、くれぐれも録画ミスがないように注意しながら、稀代のヒロインアクションをしばらく堪能したい(;^_^A