神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

麗しの「東宝特撮女優大全集」

 以前もこのブログで話題にしたことのある「東宝特撮女優大全集」。まるで“ヒロインアクション”好きな私のために発刊されたような本だった(笑)が、あいにく購入する機会に恵まれず今日まで来ていた。
 
イメージ 1
 
 とはいうものの、昨今の情勢を鑑みれば、いつ廃盤になるやも知れず、我が行動力のなさにやきもきしていたところ、ひょんなことからこの本を、しかも無償で“無期限貸与”される幸運に恵まれた。それというのも、同じ職場で同好の方から、「“引っ越し&その他の諸事情”でこの本を手放すことになったのでどうぞ」と、まだ未読の状態で差し出していただいたのが、事の次第である。本当に有り難いことだ。
 
 そこで早速読み始めたところ、面白いのなんのって! コメンテーター&インタビュアーは、かの特撮専門誌「宇宙船」から連綿と続くおなじみのメンバーで、「またこの人達……」感はぬぐえないものの、さすが“映画秘宝”だけあって、編集方針はなかなか一筋縄ではいかない、実に興味深いものだった。しかも、怪獣SFのみならず、戦記物、パニックものを含め、“特撮”と名のつくものをほぼ全て網羅した結果、酒井和歌子いしだあゆみ古手川祐子・多岐川裕美といった、今までこの手の雑誌にはまず登場しなかった女優陣の記述もあり、そこら辺も今までの凡百の“特撮ヒロイン誌”とは一線を画する内容になっていた。
 
 中でも、「『007は二度死ぬ』の浜美枝若林映子のキャスティングは、特撮好きの『007』スタッフが『キングコング対ゴジラ』を観たことに起因する」とか「『南海の大決闘』のダヨ役は、元々高橋紀子でロケスタートしたが、彼女の虫垂炎で、急遽水野久美が代役を務めた」とか、「『南海の大怪獣』にキャスティング予定だったこれまた高橋紀子が結婚引退したため、同姓の高橋厚子にその役が回った」とか、今まで薄々感じていた事柄の裏付けがなされていたのは、読んでて嬉しかったな(笑)
 
イメージ 2
 
 使われているスチールも、おなじみのものから「楽屋オチ」的なものまで網羅されていて、当時の雰囲気を垣間見ることができるし、各女優のインタビュー記事も楽しんで読ませてもらった。多くの女優が見事なまでに本多猪四郎監督のことを「優しく、自分の演技を引き出してくれる監督」と評しているのも、何だか嬉しかったよ(笑)
 
イメージ 3
 
 何はともあれ、読み物として面白かっただけでなく、我が創作意欲にもしっかり火をつけてくれる充実した内容の本だった。
 
 これを読んで、心のネジを巻いて、そろそろ本気で“ヒロインアクション”の新作を始動させねば……