昭和の香りの“松浦”サキ
このブログによくコメントを下さる知り合いの方と、以前とある会合で一緒になったとき、『スケバン刑事』ネタで大いに盛り上がった。その際、「松浦亜弥のあの独特の雰囲気はまさにスケバン刑事の世界観にマッチしている」云々の話を聞いて、まさにその通りだと感心したことを覚えている。
歴代のスケバン刑事は、斎藤由貴といい、南野陽子といい、浅香唯といい、その私生活はどうであれ、容姿的にはお世辞にも“スケバン”なんて言葉が似合うようなキャラクターではなかった。それは単に彼女らが当時“アイドル”だった、ということではなく、それぞれが持つ“清純派"を超越したようなある種の“野暮ったさ”や、"ぽっちゃり感""鈍くささ"を感じたからだ。事実、彼女らはセーラー服をきちんと着こなし、スカート丈も"学期最初の服装頭髪検査に引っかからない程度"に長からず短からず。しかも足下は白のソックス。殊に『スケバン刑事Ⅱ』の南野陽子に至っては、黙っていれば明らかにクラスの優等生風の出で立ち。そんな彼女らが、場違いなまでの啖呵を一生懸命凄んでみせて切る所に、このシリーズの大きな魅力があった(笑)
翻って松浦亜弥。彼女はああ見えて“典型的な昭和の娘"然としていると思う。確かに『コードネーム=麻宮サキ』では、今風を意識してか短いスカートに黒のハイソックス、という出で立ちだったが、彼女が醸し出す雰囲気は、やはり歴代の“麻宮サキ”と同じ“野暮ったい80年代”の香り。やはり彼女でなければ“平成の麻宮サキ”は務まらなかっただろうし、しばらく『スケバン刑事』のドラマリメイクに難色を示していた原作者の和田慎二氏が「“あやや”ならば」と再映画化にGOサインを出したのも頷ける。
深作Jr監督にはそこら辺の独特の“空気”をもっと掴んだ演出をしてもらいたかったものである。