“旧市民球場最初のアクション映画”の称号
今CATVのチャンネルNECOで、石原裕次郎の“ムード歌謡映画シリーズ”が放映される予定だが、その予告篇集を観ている内に、裕次郎の背景に安芸の宮島や平和公園(だったと思う)が出てくる作品を見つけ、思わず目が点になってしまったよ(笑)
そのタイトルは『夜霧の慕情』。ネットで色々と調べている内に、裕次郎が“広島ヤクザ”に扮する、66年制作の広島ロケ作品であることが解った(ちなみに同年、かの“不死鳥の哲”が登場する、大好きな『東京流れ者』も封切られている)。設定からして『仁義なき戦い』(東映)の便乗のように思われるが、さにあらず。『仁義~』に遡ること7年前の作品なのだ。
この映画のタイトルにもなっている「夜霧の慕情」はとても有名な(私も実は知っていた)典型的なムード歌謡で、そのカラオケには、映画のシーンも挿入されているが、中でも、広島発宮島行きのフェリーに乗ったヒロインを裕次郎がモーターボート(協賛と思われる“Johnson”の文字が)で追いかけ先乗りするシーンは、地元民である私には結構笑えた(笑)
確か、うちの映画サークルのメンバーが、「昔、吉島の刑務所で、裕次郎のロケがあったらしい」といっていたが、おそらくこの『夜霧の慕情』だったのだろう。
そのほかにも、ロケ地は平和公園、広島城、厳島神社付近、旧広島市民球場と多岐にわたり、中でも旧市民球場のナイター照明の下、裕次郎と宍戸錠が相まみえるシーンもあるらしく、当然ながらテクニカラー作品故、記録映像ではまずお目にかかれない60年代の市民球場のカラー映像が見れそうで、とても期待が持てる。