神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

女バトルコップ

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 かつて一世を風靡した「東映Vシネマ」。結果的にこの“オリジナルビデオ”というジャンルが“B級プログラムピクチャー”に取って代わった訳だが、その創生期にはきちんとフィルムで撮ったV“シネマ”の名にふさわしいものも数多くあった。そんな「東映Vシネマ」の中で、きちんと“ヒロインアクションムービー”していたのが『女バトルコップ』である。

 ストーリーは確か恋人を殺され自らも重傷を負った女主人公(なんと中村あずさ!)が、恋人の遺作であるバトルスーツを身につけ、復讐のため悪の組織に立ち向かう、というその後のヒロインアクションもののエッセンスを詰め込んだような作品だった。尤も「ロボコップ」というか、「ギャバン」「シャリバン」「シャイダー」といった一連の“東映メタルヒーロー”然としたバトルコップのコスチュームにはあまり女性の色気は感じられず、装着後の特撮シーンはあまり楽しめなかったような印象がある。しかし、中村あずさという、こんなアクションとは無縁の役者を敢えてスーパーヒロインに抜擢したミスマッチもなかなかユニークで、顔とコスチュームとの何ともアンバランスな感覚が、この作品を異色作にしていると思う。

 その後、東映を初めとするヒロインアクションものはぐんと精錬されて、香港映画伝来のワイヤーアクションも相まって、多くの素晴らしい作品が世の送り出されてきた。しかしながら、『女バトルコップ』のように、様々な現場の試行錯誤の果てに、いささか泥臭いがしっかり王道のストーリー展開で訴える「正統派ヒロインアクション」に思いを馳せるのも、また大切なことかもしれない。

※写真は当時販促用に作られた「東映Vシネマ」カレンダー。写真をイラストにしたもので、なかなかの出来映え!