神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

ネーミングの“何故”

 映画を撮るときに悩むのが、登場人物のネーミングをどうするかだ。少なくとも特殊な場合を除いては、出来るだけ自分の身の回りにいない(変に名前から人物を連想しなくていい)名前をつけるように心がけているが、時にはある種の“遊び心”をもってネーミングする場合もある。例えば『天使諜報★神宮寺真琴』シリーズのキャストのネーミングに関しては、そんな“遊び心”で毎回決めていた。

 『狙われた生徒会長』では、主人公を「神宮寺真琴」と、『海底軍艦』における“轟天号”艦長「神宮寺大佐」の愛娘の名を拝借したことから、全て“東宝特撮映画”の登場人物名で統一した。マネージャーは『メカゴジラの逆襲』のサイボーグ少女「真船桂」、生徒会長は『地球防衛軍』『宇宙大戦争』に別人役ながら連続して登場した「白石江津子」、そして『ゴジラ』の「芹沢」「大山」、『妖星ゴラス』(だったか?)の「川地」等々。尤もよっぽどの“特撮マニア”でないと、なかなかわからないであろう、また本篇とは何の関係もないネーミングであった(笑)

 その点『市民の敵は場外へ飛ばせ!』では、自分なりに作品テーマに即したネーミングに徹してみた。それは以下の通りである。
〈悪役側〉
・渡邊(関東大手ゼネコン社長)
・宮内(渡邊建設社長付秘書・渡邊の片腕的存在)
・根来(渡邊の凄腕用心棒)
〈善玉側〉
・牛島あおい(市街地活性化プロジェクト室長・牛島の愛娘)
・堀江(プロジェクト主査・牛島の懐刀)
 
 この中で、「渡邊」は某金満球団の悪徳横暴会長、「宮内」は球界再編の青写真を描いた“パシフィックリーグの敵”、そして「根来」は04年の球界再編騒動をより混迷させた無能且つお抱えコミッショナーの名前を配した。一方の善玉側では、「堀江」は球界再編の流れに棹を差した歌舞伎者IT社長、そして「牛島あおい」はその名もズバリ、合併の憂き目にあった「バファローズ=牛」「ブルーウェーブ=あおい波」から拝借した。くだらないとは思いながらも、愛する球団「大阪近鉄バファローズ」を解散に追いやった04年球界再編騒動に、自分なりの“オトシマエ”をつけたつもりでいる(苦笑)

 変な話だが、両作品とも箱書きで難航しているとき、思い切ってキャスト名を上記のような括りでつけた途端にイメージが湧いてきて、一気に台本完成までこぎ着けた経緯がある。極めてマニアックな発想かも知れないが、こんなことでも作品世界が上手く纏まることもあるもんだ。