神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

角川娘の選択

 薬師丸ひろ子、渡辺典子、原田知世といった、往年の俗にいう「角川三人娘」の中で、語弊を承知で書かせてもらうと、一番女性らしい艶を感じさせたのは、渡辺典子だったと思っている。

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 どことなくボーイッシュで勝ち気なイメージの薬師丸ひろ子や、浮世離れしたお嬢様然としていた原田知世と異なり、渡辺典子はどこかポッチャリとした容貌ながら、目鼻立ちがハッキリしていて「綺麗!」って思わせる子だった。それ故、『伊賀忍法帖』の様な時代劇の「姫様」役がとても似合っていたような気がする。だからこそ、彼女が、『積木くずし』主役に急遽抜擢されたため、主演が決まっていた“角川フレーム”の『里見八犬伝』を降板したのは、本当に残念だったし勿体ないって思ったね。

 当時の世相を考えれば、確かにベストセラーでドラマもヒットした『積木くずし』主役の機会を優先したこと自体は致し方なかったと思う。しかし、家庭内暴力に明け暮れるヤンキー然とした女子高生を迫真の演技で演じきったことが 、逆に渡辺典子のキャリアに“色”を付けてしまったのではなかろうか。他の2人の“角川娘”はあらゆるジャンルにチャレンジしながらも、一応“アイドル”として成長していったのに対し、渡辺典子のその後のキャリアが、例えばVシネマの『女刑事サシバ』のような方向になっていったことを考えると、もっと彼女を順調に活かす手段はなかったかな、なんて感じてしまう。

 彼女が他の2人と異なり、結婚によって早くからセミリタイアしたことを考えると、そこまで演技的に冒険しなくても、“角川のお嬢様”で居続けたら良かったのに……

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 写真は、昔譲ってもらった『伊賀忍法帖』キャンペーン時のサイン色紙。地元・大分への凱旋でもあった。


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