俺らギガが無ェだ!
あまり最近のCMには興味がないが、これだけは妙にハマッている。ソフトバンクの「ギガ物語」の一本だ。このCMシリーズ、『進撃の巨人』の世界観(あくまで設定ではなく)を意識したような雰囲気の元、結構ボケツッコミやブラックなアイロニーに満ちた設定で、まあ興味は持ってたんだけど、今回の最新版「カラオケ篇」では、いい意味で今までの世界観を払拭して、一気に「ノリ」のみを追求したような内容になっている。
このCMのテーマとして中心的に流れる曲「俺らギガが無ェだ」は、当然ながら元ネタは吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」なんだけど、昨今のCMには珍しく、この昭和の徒花のような元ネタのテイストというか“泥臭さ”を十分活かしながらの“替え歌”に仕上がっているのが何とも嬉しい。内容は“物欲”からデジタル世界”に移行してはいるものの、雰囲気はオリジナルのまんまだ。遂思わず「ギガが無ェ! ギガが無ェ!」って口ずさんでしまうくらい(;^_^A
ところで、このオリジナル曲を歌う吉幾三って、改名後の再デビュー作にしてスマッシュヒットの「俺はやっぱりプレスリー」(今までてっきりタイトルは「俺は田舎のプレスリー」って思いこんでいた)が『俺は田舎のプレスリー』(満友敬司監督 1978年)として、その次のミリオンセラー「俺ら東京さ行ぐだ」はそのまんまのタイトル『俺ら東京さ行ぐだ』(栗山富夫監督 1985年)として、共にヒット曲が悉く松竹で映画化されているという、希有な(というか何とも羨ましい)略歴の持ち主である。後に「雪国」で演歌界の大御所になる訳なんだけれど、この「デビュー曲は“変化球”ながらスマッシュヒット」「コミックソングで再ヒット」「やがて正統派として大御所に」って展開は、意外にも武田鉄矢の「海援隊」に非常に類似している。曰く、「俺はぜったいプレスリー」→「母に捧げるバラード」、「俺ら東京さ行ぐだ」→「あんたが大将」、「雪国」→「贈る言葉」って具合に。
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