『スペースバンパイア』 豪華絢爛なB級SFムービー
正月早々、CSのFOXムービーは何と『スペースバンパイア』を放映していた! 確かにクライマックスのゾンビが集団で大騒ぎするシーンはある種「祭り」なんだけど、寄りにも寄って正月とは……(;^_^A
それにしても、トビ・フーパー、ダン・オバノン、ジョン・ダイスクトラといった一時代を築いた面々が、“独立愚連隊”となって、当時のメジャーに挑戦状を突きつけた感のある本作は、その心意気も相まって、とても好きな作品だ。特撮にしても、CGが映画で実用化される直前としては究極のレベルだったと思う。よく見ると、吸精鬼のシーンにはモデルアニメーションも用いられていたようだし。
かのヘンリー・マンシーニ作曲によるテーマの重厚さ、胸時めかせ具合も半端なく、思わす聞きながら足踏みをしてしまったよ(;^_^A
ともすれば、御歳19歳でありながらその肢体も惜しげもなく披露し、孤軍奮戦したマチルダ・メイ嬢の“完璧ボディ”につい下世話な関心がいってしまう嫌いがあるが、そんなエロスと血潮迸るバイオレンス・アクションシーンを織り交ぜ目を見張る特撮でグイグイ引っ張る作品だ。これだけ究極のメンバーと究極の技術を結集しながら、まるで“B級映画”を楽しむかのような物語と、トビーフーパーの面目躍如といっていい緻密且つ猥雑な演出はやはり今観ても特筆に値する。
こんな作品、今じゃとてもお目にかかれない……